Laila Kearney Nathan Crooks

[ヒューストン/ニューヨーク 4日 ロイター] - 3日の米テキサス州知事選で共和党現職に勝利した民主党のジーナ・イノホサ氏が掲げる新規データセンター計画の停止公約が、州内のデータセンター業界を揺さぶっている。数十億ドル規模のデータセンター計画を抱え、全米でも特に急成長している同州の市場に、新たな不確実性が生じている。

テキサス州は豊富なエネルギー供給、比較的安価な土地、企業活動を重視する政策を背景に、世界有数のデータセンター開発地域となった。メタ、グーグル、マイクロソフトなどの大手ハイテク企業は過去2年間に、同州で大規模なデータセンター計画を発表している。

州内のデータセンター業界は、中間選挙前から既に圧力にさらされていた。農村部の地域社会で反対が強まり、州の電力網への接続申請が急増する中、アボット知事は8月3日、新規データセンターの電力網への接続を停止した。米国の共和党知事の中で、こうした措置をいち早く講じた一人となった。

その1カ月前にはデータセンターを支持していたアボット氏は、電力需要や環境への影響、開発業者に対する税優遇を中心に、各計画を包括的に監査するよう命じた。

イノホサ氏は3日の選挙でアボット氏を破る番狂わせを演じる前から、規制をさらに強化すると公約していた。州議会が「テキサス州民を守り、データセンターを地域に受け入れるかどうか、受け入れるならどのようにするかの決定に州民が参加できるようにする」法律を成立させるまで、データセンターの認可を全面的に停止するとしていた。

アボット氏の方針転換で、州内で計画されている数百億ドル規模のデータセンター事業の先行きも危うくなった。電力網への接続を希望するデータセンターが支払った数億ドルの保証金が返還されるかどうかにも疑問が生じている。

アボット氏による一部の措置には期限があり、監査は2026年末に終了する見通しだった。一方、イノホサ氏は州議会による法律の成立まで、認可を全面停止するとしている。

法律事務所K&Lゲイツでテキサス州のデータセンター案件を扱う弁護士、オースティン・マッカーティー氏によると、新知事の下で発足する州政府と州議会は今後、業界を巡る新たな法制度を固める前に、最近のさまざまな措置や規制を把握する必要がある。

同氏は「データセンターだけでなく、エネルギー全体について、既に決着したと思われていた数多くの政策が、テキサス州では全く新たな局面に入る」と述べた。

同氏は、州内では、一部のデータセンター計画が遅れたり、開発業者が州から完全に撤退したりする可能性がある一方、新たな規制が実施される前に完成・通電を急ぐ計画も出てくるとの見方を示した。

大手ハイテク企業やその他のデータセンター開発業者を代表する業界団体データセンター・コアリションは、加盟企業は州・地方政府と協力しながら、州内でのインフラ整備を引き続き進めると表明した。

同団体でテキサス州の政府対応を担当するジェス・ヘック氏は「生活費の負担軽減、雇用創出、州経済の強さの維持は、テキサス州民にとって最優先課題だ。データセンターは地域社会に投資を呼び込むことで、こうした課題の解決に向け、引き続き重要な役割を果たせる」と述べた。

データセンター開発会社アルファ・コンピュートのブリタニー・カイザー最高経営責任者(CEO)は、データセンターへの反対を公約の柱に据えた候補が勝利したテキサス、オハイオ両州の選挙結果を受け、一部企業は両州への投資を再考するだろうと述べた。

カイザー氏は4日のインタビューで、多くの企業が共和党の地盤が非常に強い州や、共和・民主両党の勢力が拮抗する州に投資することになるだろうと語った。こうした州は政治的なリスクが比較的小さいとの見方を示した。

データセンターの費用が電力利用者に転嫁されるのを防ぐ業界の取り組みは有権者に伝わらなかったとし、開発業者は今後、議員や規制当局、地域社会と直接対話し、規制順守にとどまらず、良き隣人となる必要があると語った。

NBCとSSRSの出口調査によると、全米の有権者の約76%が、自分の住む地域での新たなデータセンター建設に反対した。選挙前の10月にヒューストン大学が実施した調査では、投票に行く可能性が高いテキサス州の有権者の79%が、州内で建設できるデータセンター数の制限を支持していた。

ゴールドマン・サックスのリポートによると、米国で計画されているデータセンター容量の25%をテキサス州が占める。同州や、ジョージア、ミシガンなど急成長するデータセンター拠点で民主党の新知事が誕生することで、業界への税優遇の廃止や環境・電力規制の強化につながる州法が制定され、市町村が独自に一時停止措置を導入する道も開かれる可能性があるという。

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