Sinéad Carew
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国市場の時間外取引で29日、人工知能(AI)ブームに伴うコスト懸念が一段と強まり、半導体株が再び売りに見舞われた。アマゾン・ドット・コムとインテルの決算は、インフラ整備競争がハイテク業界の負担になるだけでなく、消費者にも影響を及ぼしていることが示された。
アマゾンが29日発表した第3・四半期決算は、クラウド事業の成長加速が続いた一方、AI需要の取り込みに向けた積極投資を背景に現金流出が膨らんだ。2027年の設備投資が26年からさらに増加するとの見通しも示し、時間外取引で7%下落した。
AIクラウド銘柄のコアウィーブ、ネビウス、アイレンも5.8─6.7%下落。アルファベットは通常取引を約13%安で終えた後、時間外でさらに1.5%下落した。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も、インテルが「パソコン業界全体の短期的な逆風」を理由に挙げたことを受け、時間外取引で売られた。同指数は通常取引でも、アルファベットの強弱入り交じる決算を受けて1.4%下落していた。
パソコンメーカーのHPは8%、デルは6.8%下落した。
ボケ・キャピタル・パートナーズの創業者兼最高投資責任者、キム・コーギー・フォレスト氏は「パソコン需要の低迷で売上高が予想に届かず、先行きの業績見通しも期待外れだった。グーグルがきょう思い知らされたように、決算は重要だ」と述べた。
<インテルの工場操業停止>
株価が18%下落したインテルは、イスラエルの工場で起きた爆発事故により約2週間にわたり操業が停止し、2四半期にわたって計約6億ドルの売上高が失われると説明した。同社株の下落は、時間外取引で他の主要半導体株にも波及した。
ローゼンブラット・セキュリティーズの株式セールストレーダー、マイケル・ジェームズ氏は「時間外の半導体株全般の軟調さは、主にインテルの業績見通しと、投資家心理の悪化が他銘柄に波及したことによるものだ」と述べた。
一部のアナリストは、インテルが問題を抱えるパソコン分野はAIインフラ整備ほどウォール街で注視されておらず、同社の問題が、AI分野をより大きな事業の柱とする他の半導体メーカーにとっても深刻な問題になるとは限らないと指摘した。
それでも、取引が低調な時間外市場で投資家は、詳しい分析よりも売りを優先した。AMDは4%、ブロードコムは2%下落した。値動きの荒い取引で特に下げが大きかったのは、SOX指数の日次騰落率の3倍の投資成果を目指す上場投資信託(ETF)、ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブルETFで、9%下落した。
SOX指数は年初来で60%超上昇し、際立ったパフォーマンスを示してきた。AIインフラ整備に必要な半導体や設備の不足が価格と利益を押し上げ、半導体大手エヌビディアやメモリー半導体のマイクロンからマーベル・テクノロジーまで、幅広い企業が恩恵を受けている。
ただ、過去1カ月は資金調達条件が厳しくなり、半導体株への投資の勢いが試されている。こうした環境を受け、予定されていた新規株式公開(IPO)の一部が見送られ、借り入れへの依存度が高いAIインフラ企業の一部にも圧力がかかっている。SOX指数は10月に付けた直近高値から13%、6月の過去最高値からは21%下落している。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「インテルはエヌビディアやAMDより弱いと見られていたため、ハイテクセクターの中で特異な存在と受け止められていたと思う」とし、「その資金の一部は、入ってくるのも早ければ、出ていくのも早い」と述べた。