Cian Muenster
[29日 ロイター] - 欧州安定メカニズム(ESM)は今週、新たに稼働した決済プラットフォーム「ポンテス」を通じて10億ユーロ(約11億1000万ドル)のデジタル債券を発行した。これについて欧州中央銀行(ECB)の報道担当者は29日、「ESMのデジタル債券発行が、ポンテスを通じて中央銀行のマネーで決済されたことは、欧州のトークン化金融市場で実験段階から実用化段階へと移行が始まったことを示している」と評価するコメントを出した。
今回の取引では、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を支える基盤技術の分散型台帳技術(DLT)が用いられ、中央銀行マネーを用いて取引の記録と決済が実施された。ドイツ連邦銀行(中央銀行)が発行・支払代理人の役割を務め、国際証券決済機関クリアストリームがデジタル市場インフラを提供した。
ESMのピエール・グラメニャ専務理事は今回の発行について「欧州のデジタル金融市場にとって重要な節目となった」と評した。ドイツ連銀のヨアヒム・ナーゲル総裁は、今回の取引はDLTが債券の発行と決済をより効率化し、欧州の資本市場を強化するのに寄与し得ることを示したとの見解を示した。