Francesco Canepa Balazs Koranyi

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は29日、辞意を表明した。総裁の去就を巡る数カ月にわたる臆測に終止符を打った。

退任日は2027年2月7日。これにより現在の欧州連合(EU)首脳は、フランス大統領選のかなり前に後任を選ぶ時間を確保できる。世論調査では、大統領選で極右候補マリーヌ・ルペン氏が有力となっている。

ECBは「ラガルド総裁は本日、理事会とコスタ欧州連合(EU)大統領に対し、2027年2月7日に退任すると伝えた」と明らかにした。

ラガルド氏は交流サイト(SNS)で公開した短い動画で「十分な仕事を果たし、ECBを将来に対応できる組織にしたとの思いを胸に、この組織を去る」と述べた。

関係筋によると、ラガルド氏は母国フランスや世界の政治問題について発言できるようにするため辞意を表明した。ECB総裁としては、組織の独立性を守るため中立を保つことが求められていた。

コスタ大統領は声明で、後任選びの手続きを直ちに開始すると表明した。後任の有力候補として、オランダ中銀のクノット前総裁、スペイン中銀のデコス前総裁が挙がっている。

ダンスケ銀行のエコノミスト、ピート・ヘインズ・クリスチャンセン氏は「後任候補とうわさされている2人はいずれも非常に有能で、実績のある中央銀行幹部だ。市場にとっては、それほど問題はないだろう」と述べた。

発表後の金融市場に大きな動きはなかった。一部のアナリストは、ECBがこれまでに築いてきた信頼は、誰がトップを務めるかに左右されないと指摘した。

ゴールドマン・サックスの債券マクロ投資責任者、サイモン・ダンゴー氏は「ECBは今や十分に確立された組織で、市場はその運営の仕方を熟知している」と指摘。「ラガルド氏が退任しても組織としての行動様式は続き、誰が後任になってもかなり似たものになるとみている」と述べた。

ラガルド氏の任期は27年10月末まで。しかしここ数カ月、早期退任を巡る観測が強まっていた。転身先として世界経済フォーラムが有力視されている。

ECBは現在、イラン戦争に伴う原油価格急騰が他の物価や賃金に波及するのを防ぐため、利上げを進めている。一方で、多額の債務を抱えるフランスを中心とした国債利回りの急上昇にも対応する必要がある。

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