David Shepardson Kalea Hall

[デトロイト 27日 ロイター] - ホンダの米国法人、アメリカン・ホンダモーターのジェニファー・トーマス渉外担当上級副社長は27日、米国が2027年1月1日からカナダ製の鉄鋼・自動車に対する関税を引き上げれば、自動車業界にとって「壊滅的な打撃」になると警鐘を鳴らした。

自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の延長に向けた協議が続く中、自動車メーカー各社は交渉の行方を注視している。関係者によると、米国とカナダはカナダ産の鉄鋼および自動車に対する米国の関税緩和に向け協議を進めている。

3カ国の自動車産業はサプライチェーンが密接に結び付いており、関税引き上げはコスト増や新工場の立地戦略に影響を及ぼす可能性がある。

トーマス氏は、デトロイトで開かれたロイター自動車会議で「米国の自動車産業が競争力を維持するためには、3カ国協定の継続が求められる。それはわれわれの成功に不可欠だ」と訴えた。

自動車業界は25年初め以降、トランプ米政権がメキシコやカナダを含む複数国からの輸入品に対し、さまざまな関税を課したことで対応を迫られている。

トーマス氏は「冷静な判断が優先され、(27年)1月1日の関税倍増を回避できると慎重ながらも楽観視している。関税倍増は業界全体にとって本当に壊滅的なものになる」と語った。

一方USMCAは、欧州連合(EU)や日本、韓国との貿易協定とは異なり「原産地規則」と呼ばれる北米域内調達比率の要件を設けている。

事情に詳しい関係者によると、米国はメキシコとの協議で、北米生産車について米国由来の部品比率を50%とするよう求めており、この場合、関税優遇措置の対象となるための域内調達比率は82%まで引き上げられることになる。

米通商代表部(USTR)のグリア代表は、メキシコとカナダで組み立てられた車両については、今後も一定水準の関税が課される可能性が高いとの見方を示している。

トーマス氏ら業界幹部は、こうした原産地規則が他の貿易協定には存在しないと指摘。「現状では北米が不公平な競争条件に置かれている」と不満を表明した。

ホンダは8月、3カ国協定が延長されなければ北米で8カ所目となる完成車工場の建設を見送る可能性があると明らかにしている。

トーマス氏は「当社の生産能力は既に上限へ達しており、あらゆる選択肢を検討している。ただ最終的には米国への投資を継続していく」と述べた。

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