<為替> ドルが円やユーロなどの主要通貨に対しやや上昇した。週内に予定されている一連の主要中央銀行の政策決定会合を控え、経済見通しや金利の先行きに関する手掛かりを見極めようとポジション調整が入る地合になっている。
今週は米連邦準備理事会(FRB)が28日に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表。続いて欧州中央銀行(ECB)が29日、日本銀行が30日に金融政策決定会合の結果を発表する。3中銀とも金利据え置きを決定するとの見方が大勢で、経済・金融情勢の見通しのほか、今後の政策運営について示唆されるか注目されている。
バンク・オブ・アメリカのマーク・カバナ氏率いるアナリストは投資家向けリポートで「FRBが金利据え置きを決定すれば、ドル相場を巡るリスクは下向きに傾く。タカ派的なメッセージはおおむね中立材料になるが、『ハト派的な据え置き』になればドル安が大きく進む可能性がある」と述べた。
ドルは先週、AI関連株の急落などを背景に下落圧力にさらされたが、その後は下げ止まった。コンベラのFX・マクロ戦略担当、ケビン・フォード氏は「ドルはFOMCを前に持ち直しており、AI関連銘柄を巡る投資家心理も先週と比べるとやや安定している」としている。
終盤の取引で、ドル/円は0.24%高の157.90円。
片山さつき財務相は27日の参院財政金融委員会で、金利や為替相場はさまざまな要因を背景に市場において決まると述べた上で、「政府は市場の動向を高い緊張感を持って注視し、必要ならば断固とした措置を取るということでずっと注視している」と述べ、円相場を下支えするため必要に応じて介入する姿勢を改めて示した。
円は先週、AI関連株を巡る投資家の不安を背景に安全資産とされる円に資金が流入したことで、主要通貨の中でも比較的堅調に推移。週間ベースで対ドルで約0.75%上昇し、9月上旬以降で最大となった。
ユーロ/ドルは0.33%安の1.1136ドル。ECBの四半期銀行貸出調査でECBによる利上げの影響が実体経済に表れ始めていることが示され、ユーロは下げ幅をやや拡大した。
ユーロはエネルギー高に加え、フランスの財政懸念などが重しになり、10月に入ってから対ドルで1.70%下落している。
英ポンド/ドルは0.19%安の1.3317ドル。
主要通貨に対するドル指数は0.27%高の102.29。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)とカナダ銀行(BOC)も28日に金融政策を発表する。いずれも利上げが決定されるとの見方が大勢になっている。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが狭いレンジ内で推移する中、総じて小幅上昇した。市場は、28日の米連邦準備理事会(FRB)の政策決定を控えて利上げの見通しを見極めようとしている。
先週は人工知能(AI)ブームの持続性への懸念から株式が売られ、安全資産とされる債券の魅力が高まったことから、米国債価格が急騰し、利回りは低下した。22日には、指標となる10年債利回りの低下幅は1日としては約4年ぶりの大きさとなった。
ジェフリーズの米国担当チーフエコノミスト、トーマス・シモンズ氏は「ナラティブ(物語)の方向性がやや、成長鈍化を巡る懸念の方に傾き始めたようだった」と指摘。ただ、「経済はなお比較的良好な状態にある。市場がFRBの金融政策について織り込んでいる水準を踏まえると、インフレ加速のリスクはそれよりも顕著だ」と述べた。
FRBは28日に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表する。FRBが金利を据え置くとの見方が強い中、投資家は、インフレ高止まりを巡る懸念を踏まえると、利上げの一時停止は長く続かないと見ている。CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む金利据え置きの確率は約93%。12月に25ベーシスポイント(bp)の利上げが行われる確率は約75%となっている。
供給面では、財務省が実施した700億ドルの5年債入札はまちまちの結果となった。最高落札利回りは入札締め切り時点の水準をわずかに上回った。応札倍率は前回入札をわずかに上回った。
10年債利回りは0.2bp上昇の4.988%。
30年債利回りは横ばいの5.301%。
金利動向に敏感な2年債利回りは2.4ベーシスポイント(bp)上昇の4.735%となった。
2年債と10年債の利回り格差は25.1bpと、約1カ月ぶりの水準に縮小した。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.461%。10年物が2.351%となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 続伸。人工知能(AI)関連のハイテク株が買われた。ハイテク株の比重が高いナスダック総合が上昇率で主要指数をリードした。
AI開発の米アンソロピックが近く実施する新規株式公開(IPO)の詳細を巡る期待感から、半導体株指数は3営業日続伸した。
借り入れコストが上昇する中、債務で賄う支出の持続性を巡る懸念が強まり、今月はAI関連取引の重しとなっていた。フィラデルフィア半導体指数は6月22日に付けた終値での過去最高値から20%超下落しているものの、年初来では62.1%上昇し、同期間に12.8%上昇したS&P総合500種を上回っている。
メタ・プラットフォームズはAI事業拡大の資金を確保するため、同社として過去最大となる株式発行による資金調達額を975億ドルに引き上げたと発表。株価は1.6%下落した。
ホライズン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「(アンソロピックのニュースが)AI関連株、特に半導体株に幾分、リリーフラリー(安心感からの上昇)をもたらしているようだ」とし、「これらの銘柄はここ数週間で大きく売り込まれており、おそらく反発する頃合いだった」と述べた。
航空機大手ボーイングは10.7%急落。7─9月期の調整後損益が予想より大幅な赤字となった。
四半期利益が予想を下回ったシャーウィン・ウィリアムズも2.7%下落し、ダウ工業株30種の重しとなった。
一方、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は5.8%上昇。通期の売上高と利益の見通し引き上げを好感した。
クルーズ船運航のロイヤル・カリビアンも通期利益見通しを引き上げ、5.5%高となった。
S&P500の主要11セクターでは情報技術が上昇率トップだった。一方、中東の和平交渉に関心が向かい、原油価格が下落したことで、エネルギーの下落率が最大となった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.83対1の比率で上回った。ナスダックでも1.86対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は約161億株。直近20営業日の平均は171億8000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 原油価格の下落を背景に、安全資産としての需要が高まり、金相場は約1%上昇した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策会合を控え、市場は今後の米国金利動向を注視している。
スポット金は一時3987.14ドルまで下落した後、午後1時44分(米東部時間、日本時間午前2時44分)時点で1オンス=4055.14ドルと1%高となった。米金先物12月限の清算値は0.9%高の1オンス=4074.60ドルだった。
ザナー・メタルズのピーター・グラント副社長は「原油安はインフレ懸念を和らげ、FRBの金融引き締め姿勢を一定程度抑制する可能性がある」と指摘した。一方、米国の金利が高止まりするとの見方から、2026年の金価格予想は2四半期連続で下方修正されたが、2027年には回復が見込まれている。
銀は0.5%高の1オンス=54.20ドル、プラチナは0.3%高の1530.75ドルとなった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国時間の原油先物は1バレル当たり約2ドル下落して取引を終えた。それでも、中東周辺の海上輸送が混乱し、イラン戦争終結に向けた合意がなお見通せないことから、価格は6カ月ぶりの高値圏で推移している。
清算値は、北海ブレント先物が1.93ドル(1.67%)安の1バレル=113.88ドル。米WTI先物は1.86ドル(1.83%)安の99.90ドルとなった。
中東地域の集団防衛の枠組み「メッカ共同防衛協定」に加盟するサウジアラビア、トルコ、パキスタンの高官は26日、中東情勢の緊張緩和を目指し、イランの首都テヘランでイラン指導部との会合を開いた。イラン国営メディアは、4カ国は平和と安全保障分野での協力強化を念頭に協議を継続することで合意したと報じている。
こうした中、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は27日、サウジ最大の石油精製施設であるラス・タヌラ製油所を弾道ミサイルで攻撃したと表明。また、サウジ軍の軍用機を攻撃したほか、紅海の重要な海上輸送路であるバベルマンデブ海峡付近でサウジの支援を受ける部隊の前進を撃退したと表明した。
コンサルティング会社ゲルバー・アンド・アソシエーツのアナリストは顧客向けノートで、「フーシ派のサウジへの攻撃が続き、湾岸地域での軍事プレゼンスが拡大している」と指摘。外交を巡る報道が足元のプレミアムの一部の巻き戻しを促しているとしても、こうした要因から「供給リスクは依然として残っている」と述べた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.94/157.96
始値 157.69
高値 157.97
安値 157.63
ユーロ/ドル NY終値 1.1122/1.1126
始値 1.1147
高値 1.1154
安値 1.1123
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*07.00 5.3114%
前営業日終値 97*12.00 5.3010%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*04.00 4.9988%
前営業日終値 97*07.00 4.9860%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*21.25 4.8459%
前営業日終値 100*24.25 4.8240%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.13 4.7390%
前営業日終値 99*26.88 4.7110%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 52377.57 +15.99 +0.03
前営業日終値 52361.58
ナスダック総合 26477.81 +308.43 +1.18
前営業日終値 26169.38
S&P総合500種 7722.60 +45.83 +0.60
前営業日終値 7676.77
COMEX金 12月限 4074.6 +36.2
前営業日終値 4038.4
COMEX銀 12月限 5451.3 +17.2
前営業日終値 5434.1
北海ブレント 12月限 113.88 ‐1.93
前営業日終値 115.81
米WTI先物 12月限 99.90 ‐1.86
前営業日終値 101.76
CRB商品指数 411.8493 ‐3.0872
前営業日終値 414.9365