Aditya Soni
[シドニー 23日 ロイター] - 米アップルは23日、同社初の折り畳み式スマートフォンiPhone「Duo(デュオ)」を発売した。市場関係者は、iPhoneがスマートフォン市場を変えたように、Duoが折り畳み式端末市場を一変させられるかに注目している。
23日に最初に販売を始めたシドニーのアップルストアでは、午前8時の開店前から行列ができた。エンジニアのサイモン・クリシュナン氏(48)は、メモリー容量512GBのDuoを3899豪ドル(2734米ドル)で購入した。「とても高くて私にはちょっとしたぜいたく品だ。でも人生は短いのだから」と話した。
すでに小米科技(シャオミ)の折り畳み式端末を持っているにもかかわらず、上海中心部のアップルストアに午前6時から並んだというのは医療従事者のリウ・ウェイ氏(26)だ。「アップル製品を長年使っていて、(ブランドへの)信頼もより厚い。試してみようと思い、発売日に買った」と語った。
香港ではメイと名乗った38歳の男性がオンラインの先行販売で256GBモデルを手に入れた。小売価格は1万7499香港ドル(2231.73米ドル)で、転売して4000香港ドル程度の利益を得るつもりだという。
<評価は分かれる>
初期のレビューでは、Duoのデザインに加え、頑丈でほとんど目立たないヒンジが評価された。折り目が目立つ画面は長年、折り畳み式端末の欠点で、購入をためらわせる要因にもなりかねなかっただけに、大きな成果だ。
一方、望遠レンズがないなどカメラ機能で妥協した点や、外部の開発者によるアプリが新しい画面サイズにまだ対応し切れていない点は、一部の購入者を失望させる可能性があると指摘されている。また折り畳んだ状態では、通常のiPhoneで毎日こなす数多くのちょっとした作業には使いにくいとの声もある。著名なレビュアーの中には、多くのアップルユーザーにはDuoを勧めないとする人も見られる。
アップル製品を長年論評し、ブログ「Daring Fireball」を執筆するジョン・グルーバー氏はレビューに「Duoを1週間試すのはとても楽しかった。ただ使わせてもらったのは非常に完成度の高い試作品という感じで、買って持ち歩きたいと思える完成品ではなかった」と記した。
MKBHDの名で知られるテクノロジー評論家のマルケス・ブラウンリー氏は、ユーチューブのレビューで「メッセージのやり取りや交流サイト(SNS)、たまにネットを見る程度の一般的な利用者なら、おそらく買わない方がいい。2000ドルが大した出費ではなく、この発想が気に入ったなら、操作を覚え、顔認証がないことに慣れれば、とても楽しい端末だ」と述べた。
市場調査会社IDCのバイスプレジデント、フランシスコ・ジェロニモ氏は「折り畳み式端末は数年前から一つの製品分野として定着しているが、従来型のスマートフォンに比べると普及はなお限定的だ。アップルの参入によって、はるかに幅広い層に広がる可能性がある」と述べた。
Duoを1週間使ったというジェロニモ氏は「アップルはこの形状の端末の魅力を説得力のある形で示した」と語った。「次の試練は、この熱気を供給と普及につなげ、スマートフォン市場に長く続く新たな時代を開けるかどうかだ」と述べた。