Yoshifumi Takemoto
[東京 23日 ロイター] - 日銀は23日に公表した金融システムリポートで、国内の金融システムは「全体として安定性を維持」していると評価した。同時に海外ノンバンクの影響拡大を指摘し「グローバルな金融市場の変動や海外ファンドの動向の影響を受けやすくなっている可能性」があると指摘した。
<AI期待縮小なら、債券市場に影響も>
現状は「グローバルなAI(人工知能)関連需要の拡大が続くもとで、日本株も上昇している」と指摘。海外ヘッジファンドに「株式投資と債券取引の双方を行うものが多い」ため、米AI銘柄への「期待が縮小する場合には、債券市場にも影響が伝播する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
AI関連設備投資を進める米ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)が「自己資金で賄えない部分でノンバンク部門が資金の出し手として存在感を増している」とも指摘している。
<都心3区の中古マンション価格に一服感>
足元の国内金融活動については「大きな不均衡は認められないが、不動産価格や株価といった資産価格の動向には引き続き留意が必要」とした。首都圏マンション市場の関連では「空室率の低下と賃料の上昇が続いている」とする一方で、「都心3区に限ると中古マンションの価格上昇に一服感もみられる」と記述した。
原油価格が急騰する場合、中小企業のデフォルト確率の上昇は「総じて限定的」としている。
原油価格のバレル140ドルへの急騰や金利上昇、米国を中心としたAI関連投資に対する期待が縮小などのリスクを想定した場合のシミュレーションを試算。メガバンクの台湾などアジア向け貸し出しなどを下押しされ、自己資本比率は低下するものの、「金融システムの安定性は全体として維持される」と評価している。
日銀は年2回、金融システム全体の状況についての分析・評価を行うリポートを公表している。