2月の凍える寒さの中、ノルウェーの雪と氷の上を歩き始めてからわずか数日で、複数の米海兵隊員が異変に気付いた。まず、支給されたばかりのブーツの革に穴が開いた。

やがて靴底に隙間ができ、重たい装備を背負って徒歩やスキーで移動している間にいてつくような水が入り込んできたことが、本誌が確認した米軍の記録と国防総省関係者の話から分かった。

彼らはノルウェーが主導するNATOの2026年の演習「コールド・レスポンス26」のため、北極圏以北の訓練場に派遣されていた。

演習にはノルウェー領内で2万5000人以上、フィンランド領内で7000人以上が参加。うち約3000人が米海兵隊員で、その大半はノースカロライナ州のキャンプ・レジューン海兵隊基地を拠点とする第2海兵遠征軍(MEF)に所属している。

軍用ブーツをめぐるトラブルは、軍支給の靴の品質だけでなく、米上院で超党派の議員が提出している「兵士の装備改善法案(BOOTS法案)」の問題点も浮き彫りにする。

現在、国防総省の資金で購入できる軍用ブーツは、原則としてアメリカ製に限られている。BOOTS法案は、一部認められている外国製の使用をさらに厳しく制限し、アメリカ製を徹底しようというものだ。

その目的は国内企業を後押しし、外国のサプライチェーンへの依存を減らすことだが、質の悪い靴を履かされる兵士が苦労を強いられ、代わりの靴を購入する費用がかさむという批判もある。
 

NATOの北極圏でのプレゼンス
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