Michel Rose Elizabeth Pineau
[パリ 22日 ロイター] - フランスで近年最悪規模とされる暴動が発生したことを巡り、中道左派から極右までの政治勢力が、急進左派「不屈のフランス(LFI)」と党首ジャンリュック・メランション氏(75)への批判を強めている。同氏やLFIが長年続けてきた対決的な政治姿勢が社会の緊張を高め、現在の混乱につながったとの主張だ。
メランション氏は5月に4度目となる大統領選出馬を表明し、左派候補として来年の大統領選決選投票への進出が最有力視される。ただ、複数のフランス都市で暴動が発生して以降は逆風にさらされている。
ルコルニュ首相は20日、LFIについて「暴力と混乱を国に植え付けるという党の政治的な狙いが今や明らかになった」と語った。
これに対してメランション氏は、暴動の責任はLFIにあるとの見方を否定。政府こそが貧困層の多い郊外地域での根深い社会・経済問題への対応を怠ってきたと反論した。
それでもLFIへの批判は政治的立場を超えて広がっている。上院議長ジェラール・ラルシェ氏は今週の有力紙フィガロで、LFIを禁止すべきかどうかを検討する価値があるとの考えを示した。そのほか極右政党「国民連合(RN)」のローラン・ジャコベリ広報担当者はLFIを含む極左勢力と「制御不能な移民政策」が、革命的な風潮を生み出したと主張。中道政党「民主運動」のマルク・フェノー氏は、メランション氏が長年にわたって「あらゆることを闘争の場に持ち込まなければならない」との考え方を広めてきたと指摘した。
フェノー氏はロイターに「全てを対立構図に変えてしまえば、大きなリスクを招く」と語った。
一連の批判は、メランション氏が依然として有力なフランス政治家の1人であると同時に、同氏が国内で強い警戒感を呼んでいることを浮き彫りにしている。次期大統領選を控えてフランスは今後、勢いを増す反体制勢力と弱体化した中道勢力との対立が焦点となる見通しだ。
今回の暴動はその構図を一層鮮明にしており、急進左派へ向けられる目が厳しさを増す半面、RNの事実上の指導者マリーヌ・ルペン氏には治安・法秩序問題でより大統領候補らしい姿勢を打ち出す機会を与えている。治安問題は伝統的に極右勢力に有利な争点とされる。
一方フランス政界はなお極右、中道、左派の力が拮抗し、いずれも単独で主導権を握れない以上、メランション氏は引き続き相応の存在感を示すとみられている。