[ストックホルム 22日 ロイター] - スウェーデン中央銀行(リクスバンク)は、新たなデジタル決済手段の普及やユーロ圏での取り組みなどを背景に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「eクローナ」の導入を巡る議論を再開すべきとの見解を示した。
スウェーデンは世界で最もキャッシュレス化が進んだ国の一つで、リクスバンクは国民が現金からカードやデジタル決済へ移行する中、ブロックチェーン技術を活用した小売向けCBDCの導入を検討した先駆的な中央銀行の一つだった。ただ、2023年の政府調査では、スウェーデンでのCBDC導入の緊急性は高くないとの結論を示していた。
欧州中央銀行(ECB)がデジタルユーロ導入計画を進める中で、リクスバンクは議会に対して再検討するように求めている。
リクスバンクのヤンソン副総裁は22日のロイターの取材に対して「スウェーデンは現金利用が極めて少ない社会であり、それは重要な意味を持つ。現金がデジタル化される一方で、スウェーデンクローナが使いやすいデジタル形態で提供されなければ、国境を越えて容易に利用できる他の便利なデジタル決済手段との競争に勝てなくなる可能性がある」と述べた。
リクスバンクが今年実施した調査によると、直近の買い物で現金を利用したスウェーデン人はわずか5%だった。
また、リクスバンクは今月の議員宛ての書簡で、ステーブルコインの発展がクローナの国際競争力に影響を与える可能性にも言及。クローナの利用が縮小した場合、中銀は金融政策の波及経路の維持や金融システムの安定確保で課題に直面する恐れがあるとしている。
ECBは29年にもデジタルユーロを導入する可能性がある。ヤンソン氏は、リクスバンクとしてeクローナに関する立場をまだ決定しておらず、最終判断は議会に委ねられると説明しつつも、必要な法整備や準備には少なくとも5年を要するとの認識を示した。
その上で「スウェーデンがデジタルクローナを導入し、他国に大きく後れを取らないようにするのであれば、今から準備作業を始めるのが望ましい」と訴えた。