[北京 19日 ロイター] - 中国国家統計局が19日発表したデータに基づくロイターの算出によると、9月の新築住宅価格は前月比0.1%下落した。下げ幅は8月と同じで、政策支援が住宅需要の広範な回復にはまだつながっていないことが示唆された。
前年比では2.8%下落。下落率は8月の3.0%から縮小した。
前月比・前年比ともに上昇が見られない状態が3年以上続いている。
住宅市場の長引く低迷は中国経済の最大の課題の一つとなっており、消費者心理や地方政府の歳入を圧迫している。
これまでは住宅価格がおおむね連動して動いていたが、最近は地域ごとの差が広がっていると不動産仲介会社、中原地産(センタライン)のアナリスト、張大偉氏は話す。「住宅価格が全般的に上昇する時代は完全に終わった。今後は構造的な市場動向が常態となる」と述べた。
大都市における新築・中古住宅価格は安定化の兆しを見せ続けている。上海での住宅購入規制のさらなる緩和や、8月に発表された補助金などのインセンティブに後押しされたものとみられる。しかし、中小都市では、新築住宅と中古住宅の価格が前月比、前年比ともに下落を続けた。
東呉証券のチーフエコノミスト、芦哲氏は、長年の縮小を経て市場は「景気循環の転換点の前夜にある」とみる。反発の具体的な道筋や規模はまだ見通せないものの、「一段の下落余地はこれまでよりはるかに限られている」と指摘。1級都市全体で中古住宅価格が2月から7カ月連続で上昇していることを挙げ、「全国の住宅価格は今後1─2年で安定する」と予想した。
1970年から2025年に57カ国・地域で起きた190回の不動産下降局面を分析すると、こうした低迷の期間は平均で約23四半期で、大半は30四半期以内に終わっている。中国の住宅部門の調整は20四半期に及んでいる。芦氏は、こうした前例を踏まえ、中国の不動産市場は今後12─24カ月で底入れする可能性があると語った。
当局は小規模都市の住宅市場を下支えしようとしている。中国人民銀行(中央銀行)と金融監督当局は9月下旬、条件を満たす住宅購入者を対象に住宅ローンの利払いを補助する政策を発表した。
ただ、対象となる住宅の購入価格の上限は150万元(22万4417ドル)で、1級都市では1ベッドルームの物件すら買えない。
市場の不振は引き続き内需の重しとなっている。自宅の資産価値が下がるのを目の当たりにした多くの住宅所有者が、消費より貯蓄を選んでいるためだ。
別のデータによると、1─9月には、不動産投資と住宅販売のいずれも、縮小ペースが加速したことが示された。