[佐野市(栃木県) 19日 ロイター] - SUBARU(スバル)は、2020年代後半にソフトウエア定義車両(SDV)を投入する。SDVの中核となる新開発の制御統合ECU(電子制御ユニット)を全車種に順次搭載する。ハードウエア、ソフトウエア、実車検証を一体で進める開発手法に切り替え、車両開発に要する期間を現状より約4割短縮する。18日の開発戦略説明会で方針を示した。

同社は今後、制御統合ECUを通じて独自の運転支援機能「アイサイト」と「走る・曲がる・止まる」に直結する車両制御を高度化し、購入後も無線通信によるソフトウエアの更新(OTA)を通じて車を進化させる。 制御統合ECUの核となる半導体は米アドバンスト・マイクロ・デバイシス(AMD)と共同開発した。AI(人工知能)の活用や高性能半導体の採用はコスト上昇要因となるが、半導体を含む技術の内製化を進め、 電気自動車(EV)、ハイブリッド車、ガソリン車で電子プラットフォームを全車共通化するなどして価格を抑える。

柴田英司常務執行役員は、OTAによって運転支援、自動運転、走行性能などの機能を高め、「使えば使うほど、どんどん車自体が良くなっていくことを狙う」と述べた。

SDVを巡っては、スバルに約21%出資するトヨタ自動車が独‌自のソフトウェアプラットフォーム(基盤)「アリーン」を新車に搭載し、30年までに世界で販売する全車種をSDVにする計画を掲げており、35年には提携先などの車にもアリーンを展開したい考えを示している。スバルは現時点でアリーンを採用する計画はない。

車両開発期間の4割短縮に向けては、車両の試作工程をデジタルシミュレーションに置き換える。設計、開発車両の実車検証、量産準備といった各工程を順番に進めるのではなく、同時並行的に進める。デジタルシミュレーションやAIを活用しつつ、実車で走行性能や安全性の検証時間も確保する。EVやSDVへの対応が急がれる中、限られた資源で商品投入のスピードと競争力を高める。

中国勢は約2年と従来より大幅に短い周期でEVの新型車を投入し、価格競争力や運転支援技術、コネクテッド機能を進化させている。スバルは、部品や車台の共通化、デジタル技術の活用を進め、品質を維持しながら開発の迅速化とコスト低減を図る。車種間の部品共用率を50%まで高めて部品点数を削減し、開発の生産性を現状から倍増させる。

乾保常務執行役員は、スバルとしては単純に開発期間の短さを競うのではなく、「仮に開発期間が若干長くても、しっかり市場の要望に応えていく柔軟性を持ちたい」と説明。「最終的な商品のこだわりにかける時間をアジャイル(柔軟)に、いかにその短期(の開発期間)の中に入れ込められるか」が勝負になるとの考えを示した。

開発現場では、部門や取引先との間で設計を順番に引き渡す従来の方法を改め、同じ場所・情報・目標を共有するチームで開発を進める体制に移行し、車種ごとに個別最適化してきた開発の在り方を見直す。車種間の部品共用率を50%にして部品点数を減らし、デジタルを活用するなどして生産性を現状から倍増させる。

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