訪問介護・看護の現場でも広がる活用
一方、ライナフ代表取締役の滝沢潔氏は、次のように語った。「不動産の価値を高めるため、マンションのセキュリティは強化される傾向にある。しかし、第三者が入りづらくなればなるほど、居住者はさまざまなサービスを受けにくくなる。セキュリティを担保した上で、権限を持ったサービス事業者が入館できる仕組みが必要という課題を、IoTの力で解決しようというのが私たちの取り組みです」
現在、ライナフコネクトは全国約2万3000棟のオートロックマンションに導入され、東京都内では約10棟に1棟の割合で利用されている。そして、提携するサービス事業者は日本郵便、ヤマト運輸、コープみらい、東京ヤクルト販売、アスクルなど40社に上る。
入館の操作はいたってシンプル。提携サービス事業者のスタッフは、エントランスのインターホンでライナフコネクトのサービスメニューを選択。社用スマートフォンでライナフコネクトアプリを立ち上げ、そこに表示されたワンタイムパスワードをインターホン側に入力すればオートロックが解錠される。
解錠の権限は一時的に付与され、利用できるのは身元確認が取れ、個別IDが割り当てられたスタッフのみ。いつ、だれが解錠したのか記録されるため、居住者は安心してサービスを受けられる。
一方の提携サービス事業者は、再配達や再訪問に伴う負担が軽減され、業務の効率化を図ることができる。そして、マンションのデベロッパーやオーナーに対しては、利便性が高まることで不動産の価値が上がるというメリットがある。
負担軽減の恩恵を受けるのは、宅配に関わる事業者だけではない。介護や医療の現場でも、オートロックマンションへの入館は大きな課題となっていた。提携サービス事業者である株式会社やさしい手は、全国約380カ所の事業所を拠点に、訪問介護や訪問看護などを展開。サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームの運営なども行い、ヘルパーを含めた約6000人の従業員を抱えている。