Howard Schneider

[クリーブランド 12日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は12日、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向け、景気抑制的な金融政策に「比較的速やかに」移行すべきだと述べた。物価上昇が幅広い分野に広がり、企業の価格設定計画にも影響し始めているとの見方を示した。

全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合に向けた講演原稿で「インフレ圧力は一つの項目に集中しているのではなく、比較的広範囲に及んでいると見ている。2026年は原油や小売りのガソリン、ディーゼル燃料の価格が上昇し、エネルギーが注目を集めているが、それだけではない」と述べた。管内の企業との最近の対話では、投入コストの上昇率を上回る値上げを計画している企業があったという。

「インフレ率を適時に2%へ戻すには、景気抑制的な金融政策が適切だ」と指摘。インフレが一段と根強くなったり、インフレ期待が上昇し始めたりした場合について、「対応を待ち、大幅な軌道修正が必要になるリスクを冒すよりも、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が一般的に望ましいと考えている」と述べた。

FRBのスタッフ調査では基調的なインフレ率は現在2%台半ばから後半にあると説明。「適切な金融政策を取ったとしても、インフレ率が2%に戻るにはしばらく時間がかかるというのが私の基本予測だ」と語った。

さらに、「人工知能(AI)関連インフラの拡充に伴う需要面の圧力が、主要なコンピューター部品や電子部品、ハイテク部品の価格を押し上げている。データセンターのコストが上昇しているのは確かだが、同様の部品を使用する航空、発電、建設分野の事業でもコストが上がっている」と述べた。

足元の経済指標については「インフレ抑制を完遂するため、もう一段厳しくかじを取っても耐えられる経済を示している」との見方を示した。

ハマック氏はまた、政策当局者が見解を説明し続けること、とりわけ、さまざまな経済指標にどう対応する可能性が高いかを示すことが重要だと述べた。

ウォーシュ議長は、FRBによる情報発信を控えめにする方針を示しており、特に将来の政策判断を確約するフォワードガイダンスに反対している。

これに対しハマック氏は、家計や企業が政策当局者による新たなデータの受け止め方を理解し、適切に計画を立てられるよう、経済情勢に応じた政策対応の考え方を示す「反応関数」を明らかにすることが重要だと述べた。

投資家は、FRBが10月27─28日の会合で政策金利を3.75─4.00%に据え置くと予想している。ハマック氏は、FRB内でもタカ派色の強い当局者の一人で、7月の会合では利上げを支持して反対票を投じた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。