Gwladys Fouche Nora Buli

[オスロ 9日 ロイター] - ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、ナビ・ピレイ元国際刑事裁判所(ICC)判事にノーベル平和賞を授与すると発表した。ピレイ氏はイスラエルがパレスチナ自治区ガザでジェノサイド(集団虐殺)を行ったと結論付けた国連報告書の取りまとめを主導した。

委員会は授賞理由として「平和と国際法の促進に向けた努力」を挙げた。今年の平和賞は、国際社会の秩序を維持する重要性を示すものだと説明した。

「国際法の体系は大きな圧力にさらされ、その諸機関は攻撃を受けている」と指摘した。「法の枠組みや、法と正義を尊重する国際社会の姿勢が損なわれ、力の政治へと移行しつつある。力が正義に勝れば、必ず安定と信頼、平和的共存が脅かされる」と訴えた。

ピレイ氏(85)は南アフリカ東部ナタール州ダーバンで、インド系タミル人の家庭に生まれた。ICCやルワンダ国際刑事裁判所など、複数の国際裁判所で判事を務めた。

また、イスラエルがガザでジェノサイドを行ったと2025年に結論付けた国連のパレスチナ自治区に関する調査委員会の委員長を務めた。イスラエルはこの報告書を「言語道断だ」と退けた。国連人権高等弁務官も務めた。

1967年にはナタール州で女性として初めて法律事務所を開設し、南アの高等裁判所で非白人女性として初めて判事を務めた。

<揺るぎない倫理観>

委員会はピレイ氏が国家や指導者の責任を追及し、暴力や紛争の被害者に希望をもたらしたほか、長年にわたる活動で揺るぎない倫理観を示したと評価した。

「アパルトヘイト(人種隔離政策)に立ち向かった(元南ア大統領)ネルソン・マンデラ氏らを弁護した初期の活動から、現代の重要な国際裁判で判事を務めたことまで、その姿勢は一貫している」と述べた。

ICCに対しては、トランプ米大統領が圧力を強めており、米国は赤根智子所長や複数の検察官と判事に制裁を科した。トランプ氏は9月、各国にICCからの脱退を呼びかけた。

オスロ国際平和研究所のホーコン・イェルロウ所長代行は、委員会がピレイ氏への平和賞授与でトランプ氏を直接批判したわけではないとの見方を示した。「むしろ国際法に基づく世界秩序を後押しするものだと思う。もちろん、ICCに関わった人物の受賞に(トランプ氏が)反応する可能性はあるが、トランプ氏への直接的な攻撃ではない」と述べた。

平和賞の賞金は1200万スウェーデンクローナ(約120万ドル)。授賞式は12月10日にオスロで開かれる予定だ。

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