経済効果
2019年から22年にかけてのジャイル・ボルソナロ前政権は環境保護の取り組みを後退させ、森林伐採が拡大した。その反省からルラ政権はBNDESからの融資や投資を活用し、脱炭素化の産業を後押ししてきた。ルラ氏は24年以降に総額1900億レアル(約378億3000万ドル)を投じてきた気候金融の取り組みを強化すると公約している。
専門家らは、こうした気候変動対策アジェンダがもたらす経済効果は無視しがたいと指摘している。
脱炭素化のスタートアップ企業、モンバックのガブリエル・シルバ最高経営責任者(CEO)は「気候変動対策アジェンダや、この産業を国の戦略的産業と位置付けた政府の視点は、特定の政党に依存するものではない」と強調。大統領選の結果がどうなろうとも、ブラジルの脱炭素化市場が発展しつつあることや、BNDESが提供する炭素クレジットの選択肢もあることなどから、政策が続けられることが期待できると語った。
ブラジルの炭素クレジットは、自主的に排出削減目標を設定した企業間で取引されている。24年に成立した法律に基づき、企業が公式の脱炭素化目標を達成するために炭素クレジットを購入できる炭素市場の立ち上げを準備しており、これによってブラジルは国際的な炭素クレジットの取引も可能になる見込みだ。
国営石油会社ペトロブラスや鉱山大手ヴァーレなどが加盟する「ブラジル持続可能な開発ビジネス評議会」(CEBDS)は、大統領選の第1回投票の前に候補者らに対し、規制された炭素市場がブラジル経済にとって重要課題になるとみなしていると伝えた。
CEBDSの企業管理担当エグゼクティブディレクター、ダニエラ・ミニャーニ氏は「25年には、世界全体でクリーンエネルギー技術に2兆2000億ドル程度が投資された。その資本は流動的だ」とし、不確実性が生じた場合には投資家が他へ資金を移す可能性があると指摘した。
BNDESのカンペロ氏は、認証済み木材や、再植林地域で栽培されたカカオ豆やコーヒー豆といったバイオエコノミー製品の需要が高まっていることを踏まえると、ルラ氏が進めてきた気候変動対策の方針を覆すことは困難になる可能性があるとの見方を示す。
BNDESの森林プログラムは、地域の森林の回復と保護を目的としたプロジェクトに対して総額150億レアル規模の融資と投資を手がけてきた。

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