Robert Harvey Stephanie Kelly Shadia Nasralla
[ロンドン 6日 ロイター] - 世界市場に供給できる石油在庫が底を突きつつあり、市場の脆弱性が高まり、価格に上昇圧力がかかっている。業界幹部らが今週、ロンドンで開かれた会議で指摘した。
中東とウクライナでの戦争により、世界の石油市場は今年、前例のない供給混乱に直面している。各国政府とエネルギー企業は需給逼迫を和らげるため、在庫を取り崩してきた。
サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は、エネルギー・インテリジェンス・フォーラムで「現在残っている商業在庫は60億バレルを下回り、その大半は実質的に利用できないため、供給体制はすでに緊張にさらされている」と述べた。
ナセル氏は、今年の中東危機発生以降、主に陸上の商業在庫から10億バレルを超える石油が放出されたとし、これが残された最後の主要な対応手段だったと指摘した。
国際エネルギー機関(IEA)は、高騰するディーゼル燃料(軽油)価格の緩和に向け、原油とディーゼル燃料計1億バレルを放出する準備を進めている。ただ、この中に3月に決定された記録的な第1弾の4億バレル放出のうちまだ市場に供給されていない分が含まれるかどうかは明らかでない。
ナセル氏はIEAの決定について「多くの交渉を要したが、放出量は1億バレルだ」と述べた。「在庫は逼迫した水準に近づいている。利用できるのは10%以下にすぎず、だからこそ1億バレル(の放出)にも苦労している」と語った。
IEAによると、世界の石油需要は日量約1億0200万バレル。
米石油大手シェブロンのマイク・ワースCEOは6日、石油市場のバッファーが失われたことで市場の脆弱性が高まり、石油価格の下値も切り上がったと述べた。
業界幹部らは5日、世界需要を満たしながら在庫を積み増すには数年かかる可能性があるため、石油市場の混乱は来年以降も続くとの見通しを示した。