※あのニュースはどんな業界に影響するのか、あの企業の株価が動いたのはなぜか……。連載「ニュースで読み解く!注目株」では、株式市場を知り尽くした執筆陣が、いま注目すべき銘柄や相場の展開を解説します。
ゲーム大手のカプコン<9697>が10月1日付で日経平均株価に採用されました。これは日経平均株価の定期見直しに伴うセクター間の銘柄の過不足調整のため、というのが公式に発表されている理由です。
しかし、日本を代表する株価指数にゲームと知的財産(IP)を収益の柱とする企業が加わることは、日本株市場におけるコンテンツ企業の存在感が増えていることを示します。世界で稼ぐ日本のコンテンツ企業の成長力を読み解きます。
半導体を上回る「海外で稼ぐ産業」に
経済産業省によると、日本発コンテンツの海外市場規模は2024年に6.1兆円に達しました。半導体の輸出額を上回る規模で、ゲームやアニメは日本の新たな「海外で稼ぐ産業」として存在感を高めています。
背景には、世界的なコンテンツ市場の拡大に加え、デジタル化があります。ゲームはダウンロード販売、映像は配信サービスを通じて、海外の店舗や放送枠に頼らずに多くの国・地域へ届けられるようになりました。
こうした流れを受けて、ただ人気作品を保有するだけでなく、世界で売り続けられる仕組みを持つ企業に投資家の関心が集まっています。
今年5月には、日本経済新聞社が主要な関連銘柄で構成する「日経エンタメ・コンテンツ株指数」の算出を始めました。コンテンツ企業を、個別のヒット作を材料とするテーマ株としてではなく、日本株の一つの投資分野として捉える動きが広がっているのです。
加えて、日経平均株価への採用は、これに連動する投資信託(ファンド)などの売買対象となることを意味しており、市場の変化を映す出来事と言えます。
「海外比率9割」「リピート作」、カプコンの強み
ただ、海外で作品が売れた金額の全てが日本企業の利益になるわけではありません。投資家の視点から注目したいのは、IPの権利を有し、海外での販売からどれだけ利益につなげられるか、という点です。
カプコンの今期(2027年3月期)第1四半期は、売上高が前年同期比54.7%増の704億円、営業利益が同66.9%増の411億円でした。完全新規作「プラグマタ」に加え、前期以前に発売した作品(リピート作)の販売が業績を押し上げています。通期の営業利益は前年比10.2%増の830億円が見込まれています。
注目したいのが、ゲーム販売本数に占める海外比率が90.8%に上ることです。これは海外売上高比率ではなく、あくまで販売本数の比較ですが、世界市場で稼ぐ事業構造をよく表しています。