「ドイツの自由主義国家としての評価を損ねる」の声
ただし左派党が想定するのは政府による長期的な直接管理ではない。公益目的の住宅会社や協同組合、自治体企業など共同所有型の仕組みに移していくことだ。
対象は、ベルリン市内で3000戸を超える住宅を所有する営利目的の家主に限定する。約22万戸、市内の賃貸住宅全体のおよそ6分の1だ。なかでも主な対象となるのが、ドイツ最大の住宅不動産会社ボノビア。大手法人家主8社が所有する対象住宅のうち、半数以上を同社が保有する。
住宅運動の活動家によれば、社会化は公有化された住宅だけでなく、市全体の家賃を引き下げる効果も期待できる。安い住宅が十分な規模で増えれば、その地区の公的な「家賃指数」が低下し、民間家主が請求できる家賃の上限も抑えられるためだ。
左派党は納税者に費用を負担させることはないとしている。市が債券を発行して資金を調達し、家賃収入を返済に充てる計画だ。ただし返済が行き詰まれば、最終的に債務を保証するのは納税者になる。
法的なハードルもある。ほとんど使われてこなかった基本法第15条を適用すれば、収用される不動産会社側から法的な異議申し立てが起きる可能性が高い。
反対派はこの政策について、基本的な財産権を侵害しドイツの自由主義国家としての評価を損ね、海外のパートナー国にも不安を与えかねないと主張する。だが賛成派にとっては既存の政治理念そのものに挑戦することがこの政策の魅力でもある。
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