※あのニュースはどんな業界に影響するのか、あの企業の株価が動いたのはなぜか……。連載「ニュースで読み解く!注目株」では、株式市場を知り尽くした執筆陣が、いま注目すべき銘柄や相場の展開を解説します。 

底堅い銘柄が相場を支えた9月

9月の日本株市場は、日米の金融政策や為替の神経質な動きを受け、中旬にかけて下値を試すかに思われました。しかし、需要が底堅いインフラ関連や好業績の内需銘柄、利上げ期待が残る金融株へと物色が幅広い銘柄にまで広がり、相場の下支えとなりました。

夏場からの調整が続いたAI・半導体などのグロース株も下旬にかけては底堅さを見せるなど、年末高に向けて期待を残す相場展開でした。こうした動向は、日経平均採用銘柄の騰落率ランキングにも反映されています。

▼9月の騰落率上位

  1. 東海カーボン<5301> +29.0%
  2. ソフトバンクグループ<9984> +23.7%
  3. レーザーテック<6920> +22.3%
  4. 出光興産<5019> +12.0%
  5. ミネベアミツミ<6479> +10.9%

▼9月の騰落率下位

  1. メルカリ<4385> -22.2%
  2. 三井金属<5706> -21.9%
  3. ネクソン<3659> -16.9%
  4. 協和キリン<4151> -13.2%
  5. ニッスイ<1332> -12.3%

(いずれも日経平均株価採用銘柄のみのランキング)

上位陣では、半導体関連部材の好調などが好感された東海カーボンが+29.0%高と大幅伸長。AI関連企業への投資拡大や保有資産価値の評価が高まったソフトバンクグループが大きく上昇し、オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLホールディングの先端設備投資報道でレーザーテックなどの半導体検査装置メーカーも力強い伸びを示しました。

また、エネルギー価格の堅調さを背景に出光興産などの資源・市況関連株や、車載・精密部品が底堅いミネベアミツミにも買いが広がりました。

一方で下位は、「ポケモンカード」の30周年記念商品を出品禁止にすると発表したメルカリが業績への影響が懸念され、22.2%安と大きく値下がりしました。また、新作タイトルの不確実性などからネクソンが売られました。

そのほか、原材料高や世界的な消費鈍化懸念が重石となったニッスイや協和キリンといった医薬品・食品株も軟調に推移。景気の不透明感や個別材料からディフェンシブ株やグロース・素材株の一角が下落しました。

そのほかに、自動運転関連とされるティアフォー<593A>やヴィッツ<4440>が急騰して大商いとなるなど、夏枯れムードが残る中で値幅を求める短期資金がテーマ株に集中する一幕もありました。

■金利上昇で買われた金融セクター

アメリカの長期金利が高水準で推移する中、国内でも新発10年物国債の利回りが高水準を維持。金利上昇への警戒感は高PER(株価収益率)なグロース株の上値を抑える要因となる一方、利ざや改善が期待される銀行や保険などの金融セクターには買い安心感を与える形となりました。

足元では、FRB(連邦準備理事会)のメンバーが連続利上げに慎重な姿勢を見せていることもあり、金利上昇に対する過度な警戒感は株式相場に一旦織り込まれつつあります。

10月の鍵を握る、決算、金融政策、中間選挙
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