David Lawder

[ミルウォーキー 1日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の貿易相は1日、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで会合を開き、強制的な貿易措置による食料の武器化を非難することで合意した。一方、サプライチェーン(供給網)における強制労働の非難や、構造的な産業過剰生産能力への対応に関する声明では合意に至らなかった。議長を務めたグリア米通商代表部(USTR)代表が明らかにした。

グリア氏は記者会見で、会合に出席した貿易相の多くが産業の過剰生産能力、特に中国からの安価な輸出品が自国市場に流入していることへの懸念を示したと述べた。

「これは行動が必要な問題で、現在の貿易救済措置や対応の仕組みでは解決に不十分だという点で、ほぼ全ての国が一致している」とし、このため米国は、自国産業を守るために一方的な関税措置を講じてきたと説明した。

反対した国の名前は挙げなかったが、1カ月前にノースカロライナ州アッシュビルで開かれたG20財務相会合では、強制労働と過剰な輸出につながる非市場的な経済政策を非難する同様の声明に中国が反対していた。

グリア氏は「米国はミルウォーキーでの会合後も、志を同じくする貿易パートナーとこの問題について協議を続ける」と述べた。

G20貿易相は、第2次世界大戦終結以降の世界貿易を支えてきた最恵国待遇(MFN)関税制度の抜本的な改革に向けた米国の提案についても議論した。MFN関税を巡る議論はこれまで世界貿易機関(WTO)の枠内で行われてきたため、G20としてこの問題を取り上げるのは初めてとなる。

G20は1日中に、食料を巡る強制的措置を非難する共同声明を発表する見通しだ。

グリア氏はまた、供給制約によって高騰したディーゼル燃料(軽油)価格の引き下げに向け、戦略備蓄の放出で協力することについて、フランスやドイツなど欧州の当局者と前向きな協議を行ったと明らかにした。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。