Jesús Aguado Elizabeth Howcroft Valentina Za
[マドリード/パリ/ミラノ 30日 ロイター] - スペインの「ビズム」、イタリアの「バンコマット」、ブリュッセルに拠点を置く「Wero」を手がける欧州決済イニシアチブ(EPI)などの欧州決済企業は30日、各国の決済システムを相互接続する合弁会社の設立で国境を越えた決済で協業すると発表した。これらの企業の利用者数は欧州13カ国の計約1億3000万人に上り、欧州連合(EU)およびノルウェーの人口の7割超を占める。
欧州勢が結束することで、欧州の決済で大きなシェアを握っている米決済大手のビザやマスターカードに対抗するのが狙い。世界秩序が分断し、極めて重要な決済システムのアクセスに対する懸念が高まる中で、欧州の政策立案者らは地場企業が決済の主権を握ることを優先課題としてきた。
他に加わるのはSIBS―MBウェイ、ビップス・モバイルペイ。合弁会社の社名は「ユーロピアン・ネットワーク・フォー・ペイメンツ」(ENP)で、拠点をスペイン・マドリードに置く。
協業により、欧州規格に基づく共通の技術・運用基盤と、口座間即時決済を通じて既存の決済システムが相互接続できるようになる。
また、欧州中央銀行(ECB)が2029年までに導入を計画している中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」が、将来的に補完する可能性があると説明している。
EPIのマルティナ・バイマート最高経営責任者(CEO)は、決済システムが断片化していることはかねてより欧州の決済スキームにとって「最大の障壁」だったと指摘した。
法律事務所メイヤー・ブラウンのパートナー、マルセル・ヘラウフ氏は「ENPの創設は、欧州の人々が既に利用している決済システムを置き換えるのではなく、それらを連携させることに重点が置かれていることを反映している」と言及。その上でEUの決済で事実上主権を握ることにつながるかどうかは、欧州の決済規制がどのように展開するかや、加盟店に受け入れられるかどうか、そしてEU加盟国からの政治的支援が得られるかどうかにかかっているとの見解を示した。