Neil J Kanatt
[30日 ロイター] - 米大手玩具メーカーのマテルは30日、イノン・クレイズ最高経営責任者(CEO)が退任し、後任に出版大手コンデナストCEOのロジャー・リンチ氏が昇格すると発表した。リンチ氏は2018年からマテルの取締役を務めており、11月2日までにCEOに就く見通し。
米メディア大手パラマウント・スカイダンスはこの日、クレイズ氏を10月5日付で共同CEOに迎え、取締役も兼任させると発表した。同社はワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を約1100億ドルで買収する契約を結んでいる。一方リンチ氏がCEOを約7年間務めてきたコンデナストは、マイク・パーリス取締役を暫定CEOに指名した。
クレイズ氏はマテルの娯楽企業への変革を進め、2023年には映画「バービー」を大ヒットさせるなど事業拡大を図ってきた。一方でトランプ米政権による輸入品の関税引き上げや、アクティビスト(物言う株主)からの圧力に直面している。
クレイズ氏のCEO在任期間中にマテルの株価は5%の上昇にとどまり、同じ期間にS&P総合500種株価指数 が3倍弱になったのを大きく下回った。
UBSのアナリストらはリポートで「マクロ経済環境の悪化、金利上昇、そして第4・四半期の業績が全体に占める比重が高まる見通しなどを踏まえると、今回の発表は既に神経質になっている投資家心理に一段の不確実性を加える」と指摘した。
投資会社サウスイースタン・アセット・マネジメントはマテルに対して、身売りや競合企業ハズブロ との合併を含めて検討するように促していた。
リンチ氏が経営の舵取りを担うのは6社目で、他にパンドラやスリングTVなどのCEOも歴任してきた。ただ玩具業界での直接的な経験はほとんどない。
玩具専門誌ザ・トイブックのジェームズ・ザーン編集長は「リンチ氏の就任は、消費財とメディアの境界線がこれまで以上に曖昧になっている時期に重なっており、経験豊富なメディア経営者をトップに据えるのは理にかなっている」と評価した。
マテルの2026年第2・四半期決算の売上高は市場予想を上回り、通期見通しは据え置かれた。一方で利益は予想を下回り、トランプ関税によるコスト増大や増収に向けた投資が足を引っ張った。