[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は30日、追加利上げの是非を判断するに当たり、物価上昇圧力に影響を与える可能性のある3つの国内外の要因を注視すべきとの考えを示した。
シュナーベル氏はルクセンブルクでの講演で、自身が支持する政策の道筋については明言を控えたものの、さらなる政策対応の是非を左右し得る要因について説明した。
第1の要因は、エネルギー価格のより持続的な上昇がインフレ期待に影響を与えるかどうかだと指摘。特に新型コロナのパンデミック後、長期にわたりインフレが高止まりした時期を経ただけに重要になるとした。高インフレが繰り返されると物価への意識が高まり、家計が物価や賃金に対する期待を押し上げる可能性があると指摘。ただ、長期的なインフレ見通しを示す大半の指標は依然として2%前後で推移していると述べた。
シュナーベル氏は「期待がしっかりとアンカーされ、インフレ目標を達成してきた実績に裏付けられている限り、金融政策としては、インフレ率が目標に戻るまでの過程がより緩やかであっても許容できる」との見方を示した。
第2の要因は、経済全体の需要が予想以上に底堅さを維持するかどうかだとし、景気が持ちこたえている局面では、コスト上昇分を消費者に転嫁しやすくなると説明した。
第3の要因は、米国債利回り上昇などを一因とした世界的な利回りの上昇が、経済に及ぼす影響だと述べた。一部のモデルによれば、これがECBの予測を上回るペースで成長を圧迫する可能性がある。
シュナーベル氏は「したがって、経済が最近の金融引き締めに対し、現在想定されている以上に反応する可能性があり、そうなれば、ベースライン予測と比較して中期的なインフレ圧力が和らぐことになる」と語った。
一方で、堅調な信用動向は、金利が依然として経済を抑制していないことを示唆しており、「制約的」な領域が以前考えられていたよりも高くなっている可能性もあるとの見方を示した。