Howard Schneider
[ワシントン 29日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は29日、連邦準備理事会(FRB)が市場との対話を大幅に後退させれば、経済情勢の変化に対するFRBの対応を家計や企業は推測せざるを得なくなるため、金利やインフレ率の上昇、ボラティリティの高まりにつながる可能性があるとの見方を示した。
ムサレム総裁はロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のイベントでの講演で、中央銀行は政策金利について具体的に確約する必要はないとし、確約すれば別の問題を引き起こしかねないと指摘。同時に「対話そのものを完全にやめることは避けなければならない」とし、少なくとも家計や企業が経済の変化に中銀がどのように対応するのか理解できる枠組みを示す必要があるとの考えを示した。
5月に就任したウォーシュFRB議長は、FRBがより静かで、より目的意識を持った対外発信を行うことがより良い金融政策につながるとの考えを示し、FRBのコミュニケーションのあり方について提言を行う特別チームを設置した。
ムサレム氏はこれについて「中銀がどのように、なぜ政策判断を行うのか説明しなければ、国民は政策決定について推測するしかなくなる」とし、その結果、不確実性が増大し、最終的には企業や家計の資金調達コストの上昇につながる可能性があるほか、インフレやデフレのスパイラルに陥るリスクも高まると語った。