Michael S. Derby
[バッファロー(米ニューヨーク州) 29日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、年内にあと1回の利上げが適切になる可能性があるとした上で、次回の利上げ時期を判断するために連邦準備理事会(FRB)には経済指標を見極める時間的余裕があるとの認識を示した。
ウィリアムズ総裁はニューヨーク州のバッファロー大学で行った講演で「FRBは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策措置を決定したため、(現在は)性急に行動する必要はない」とし、今後発表される経済指標を見極めてから次の対応を決定することで、経済がどのような状況にあるのか、より明確に把握できると述べた。
その上で「経済が自身の予想とおおむね一致する形で推移すれば、インフレ率を目標水準に速やかに戻すため、年内にあと1回の利上げを実施することが適切になる可能性がある」と述べた。ただ、こうしたことはあくまで個人的な予想で、経済指標次第になると指摘。経済が堅調な成長を続け、労働市場も底堅く推移していることを踏まえると、FRBは金融政策運営の焦点を物価上昇圧力への対応に当てることができるとし、「インフレ率を持続的に2%目標に戻すことが不可欠で、そのために好ましくないインフレショックが定着しないようにし、インフレに対する波及効果を抑制する必要がある」と語った。
このほか、人工知能(AI)関連投資が物価上昇圧力の押し上げにつながっていると指摘。同時に、関税に関連した物価上昇圧力は、トランプ大統領が新たな輸入関税引き上げに踏み切らない限り、おおむね後退しているとの見方を示した。
エネルギー価格については、今後もインフレの主な要因になるとは考えていないと指摘。中東情勢次第となるため、不確実性は極めて大きいとしながらも、原油価格が再び大幅に上昇することはないと人々が予想する場合、関税によるインフレ押し上げ効果が薄れたのと同様に、エネルギー価格によるインフレ押し上げ効果も次第に弱まっていくとの考えを示し、「エネルギー価格が過度な上昇要因にならないなら、インフレ率は低下していくはずだ」と語った。
米国のインフレ率は年末時点で約3.5%になると予想。その後は物価上昇圧力の緩和に伴って低下し、2028年にFRBが2%とする目標に戻るとの見方を示した。
経済成長については、今年の実質経済成長率は2.25%になると予想。移民動向や労働力人口の高齢化に加え、生産性の伸びが緩やかなことが成長の制約要因になるとの見解も示した。
失業率は27年に4%になるとの見方を示した。
FRBは9月15─16日に開いたFOMCでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、3.75─4.00%とすると決定。決定は全会一致で、利上げは2023年7月以来、3年2カ月ぶりだった。10月27─28日の次回FOMCで追加利上げが決定されるとの観測が先物市場で強まっているが、ウィリアムズ総裁はこうした見方をけん制した格好となる。