[ロンドン 29日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のテイラー金融政策委員は29日、エネルギー価格の高騰が幅広い経済分野へのインフレ波及として明確に表れない限り、利上げの根拠は乏しいままだとの見解を示した。

テイラー氏は英国立経済社会研究所の講演で、「エネルギー価格が長期間にわたって高止まりし、より広範なインフレの持続性への波及を示すより明確なシグナルが生じない限り、さらなる利上げの根拠は私にとって説得力を持たない」と述べた。

現在の見通しについて、ロシアのウクライナ全面侵攻によって原油価格が急騰し、コロナ禍後の労働市場の逼迫に拍車をかけ、インフレを2桁台に押し上げた2022年の状況とは類似していないと指摘。

「これほど目に見えるエネルギーショックの後、多くのエネルギー集約型の財(モノ)・サービス分野におけるインフレは、予想されたほど加速していない」と述べた。

テイラー氏はまた、追加利上げがあるとの根拠のない市場観測をあおることなく、英中銀がインフレ抑制のために1回だけ利上げを行うことが現実的かどうかは不明だとの見方も示した。

テイラー氏はさらに、2027年の企業の賃金見通しに関する英中銀の年次調査が、利上げの是非を判断する上で鍵になるとの認識を示した。「来年1月に公表予定の27年の賃金見通しに関する調査は、非常に重要なデータポイントとなる」と述べた。

また、英中銀の12月会合の時点で入手可能な暫定結果にも注目すると説明。前回調査の水準である3%をやや上回る程度、あるいはそれ以下の数値であれば、インフレ圧力が抑制されているとの安心材料になると述べた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。