Ann Saphir

[29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバー理事は29日、FRBが目標とする2%のインフレ率に向けた進展が「軌道から外れた」とし、追加利上げの必要性を改めて訴えた。エネルギー価格の高騰や人工知能(AI)関連投資の急増が背景にあるとした。

デトロイト経済クラブでの講演原稿によると、バー理事は「2%への適時の回帰に向けた明確な傾向は、まだ見られない」とし、インフレ率は高すぎ、これを目標に戻す上でのリスクは高まっている一方、労働市場は堅調でリスクは低下していると指摘した。

「二大責務の双方に関するリスクをより均衡の取れた形で調整できる状況にするため、政策を再調整する必要がある」と語った。

金融市場では、FRBが今月実施した利上げに続き、10月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの追加利上げを行うとの見方が強い。

バー理事は「私の基本シナリオでは、インフレ率を適時に目標へ低下させるため、さらなる政策調整が必要になる可能性が高い」と述べた。

2026年後半の国内総生産(GDP)成長率は、上半期の2%ペースから「やや加速」する見通しとした。企業投資と個人消費が労働市場を支えているという。

また、中東の紛争が世界の原油価格を押し上げているほか、AIの設備投資拡大が特定のハイテク製品への需要を高め、企業・消費者向け価格を押し上げていると指摘した。

AI投資は今後1年程度、米経済活動を力強く押し上げ続ける可能性が高いとの見方を示した。一方、長期的にはAIが生産性の伸びを高め、インフレを伴わないより速い経済成長を可能にすると楽観しているものの、生産性向上がいつ、どのように実現するかを予測するのは難しいと述べた。

さらに、AIがもたらす長期的な恩恵を実現するためには、「労働市場に深刻な短期的混乱が生じる可能性に備え、それを効果的に管理しなければならない」と語った。

AIが経済やFRBの適切な政策金利水準に及ぼす影響を正確に見極めるのは時期尚早としつつ、「現時点で明らかなのは、インフレ率が高すぎることだ」と強調した。

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