[チューリヒ 29日 ロイター] - スイスの金融規制当局、金融市場監督機構(FINMA)は29日、同国のプライベートバンク大手ジュリアス・ベアでリスク管理および資金洗浄(マネーロンダリング)対策義務に関する監督規定に重大な違反があったとの調査結果を発表した。
調査は、ある欧州企業グループに対するプライベートデット(未公開債権)融資と、「政治的に影響力のある人物(PEP)」とされるロシア人2人に関連する顧客関係を巡るものだった。
FINMAがジュリアス・ベアに対して実施した法執行手続きとしては、過去10年足らずの間で5件目になるという。
FINMAは「ジュリアス・ベアのリスクおよびコンプライアンス(法令順守)文化の不備を浮き彫りにする重大な違反があった」と指摘。不適格な顧客との取引関係を解消する計画を完了するまで、2億5000万スイスフラン(3億ドル)の追加資本保有を命じた。
ジュリアス・ベアは2019年9月以降、新規のプライベートデット事業において、ある欧州企業グループとその創業者に融資を行い、信用供与額は最終的に10億スイスフランを超えた。
FINMAは、同行が数多くの懸念すべき兆候を無視し、自社のリスク限度枠に違反して不透明な取引を行った結果、23年末時点で5億8600万フランだったエクスポージャーを全額減損処理せざるを得なくなったと説明した。
またロシアのPEP2人に関連する高リスク顧客について数年間にわたり資産の出所を十分に精査せず、資金洗浄対策の報告義務に違反したと指摘した。