Aleksandar Vasovic

[ベオグラード 27日 ロイター] - セルビアのブチッチ大統領が27日、辞任を表明した。2期目の任期満了まで7カ月を残したタイミングでの辞任で、10月25日に実施される議会選で与党・セルビア進歩党が新政権を樹立すれば、同氏は首相に就任することが可能になる。

ブチッチ氏は6月下旬、辞任する意向を示し、議会選と大統領選を前倒しで実施すると表明していた。

人権団体はブチッチ氏や側近について、権威主義的な統治を強めていると批判してきた。反政府デモの参加者からは、警察による暴行や不当な拘束を受けたとの訴えが出ている。当局はこうした主張を否定している。

ベオグラード中心部の大統領府前では27日、ブチッチ氏の支持者数百人が集まって歓声を送った。同氏は演説で「祖国セルビアに忠実に奉仕してきた。われわれが共に成し遂げたことを誇りに思う」と述べた。

憲法の規定に基づき、新大統領が選出されるまでブルナビッチ国会議長が暫定大統領を務める。大統領選挙は90日以内に完了しなければならず、選挙戦の期間は30─60日とされる。

ブチッチ氏は「12月末までに大統領選の第1回投票を行う」と述べた。

同氏は10年余りにわたりセルビア政治を支配してきた。2012─14年に副首相、14─17年に首相を歴任し、17年にほぼ儀礼的な役職である大統領に就任したが、党と政権への強い支配力を維持し続けた。

外交政策では、欧州連合(EU)加盟を長期的な目標として維持する一方、主要投資国である中国、天然ガスの主要供給国であるロシアとの関係強化を模索するバランス外交を進めてきた。米国やイスラエルとの関係強化にも取り組んできた。

セルビアでは24年11月に北部の都市ノビサドで新たに再建された鉄道駅の屋根が崩落し、16人が死亡する事故が起きた。事故の責任や汚職を追及する声が高まり、早期選挙の実施を求める学生らの抗議デモが広がっていた。

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