そして「なぜ下見をしなかったのか」と悔い、調査でも泣いていた先生が、亡くなったのです。私たちも言葉にならない辛い思いで一報を受け止めました。とても教育熱心な先生で、「偲ぶ会」の時、手書きのメモとともに知華とのメールでのやり取りを印刷して、渡してくれました。私たちが少しでも知華の学校での姿を知りたいという思いに答えてくださったのだと理解しています。先生の責任感の強さは受け止めました。

直接思いを聞く機会はありませんでしたので、余計な推察はできません。今も辛い思いをしている教員、生徒がいるかもしれないとは思います。どうか思い詰める前に誰でもいいから思いを打ち明けてほしいと願っています。

──新校長に変わることで同志社国際に変化はあるでしょうか?

母 情報が出てくるのかもしれないなと期待もしています。宿久新校長がようやく乗船者の保護者と1対1での聞き取り調査を始めたという話を伺いました。実は、学校側は誰がどこに乗っていたかとか、誰がどういう行動をとっていたか、どの程度の負傷状況だったかといったデータを持っていないのです。9月の月命日のときに校長が知華のお墓参りにきてくれました。その際、私たちもせっかくの機会なのでと記者会見で公開した映像の元データを見ていただいたのです。そこで「初めて見た」と仰っていたことには驚きましたが、学校側が自発的に動いてくれる最初の一歩ということでこれからに期待はしています。

父 国交省と海保による生徒の聞き取りデータは省庁が個別に持っているだけです。学校はと言えば、引率教員が船に乗船していないので、出航してからのことは生徒しか知らないのです。8月末まで続いた西田前校長体制の時点で、教員側も生徒に直接聞き取りもしていません。なんらかの配慮かもしれませんが、自分たちで調べた情報もないのに賠償の金額提示は早々に進めた。これで原因の究明ができるわけもないのです。

私たちは第三者による調査報告書が出るまで、知華が辺野古のコースを変えたいと希望していたこと、くじ引きによって希望から外れたことも学校から知らされてきませんでした。保護者に情報を伝えれば当然ですがどこかからマスコミに漏れるかもしれない。でも、漏れる前提で伝えられることは伝えていく姿勢が必要だと思います。乗船者の保護者にも情報を伝えない、記者会見をするか自発的にコメントを発表するといった社会に対して伝える姿勢も見せない。これは学校にとってもメリットがないはずです。

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