研究チームは、2025年末までに発表された臨床試験を収集し、北米、欧州、オーストラリア、アジアで行われた研究を分析した。対象となった研究の参加者は計8449人で、88%が女性。平均年齢は54歳(47~76歳)で、追跡期間は平均64カ月だった。
データを統合して分析したところ、計画的な運動は生存率の改善と有意に関連していた。一方、がんが悪化するまでの期間を延ばしたり、化学療法などの治療後に浸潤がんが残っていない状態になる可能性を高めたりする効果については、明確な証拠は得られなかった。
また、指定された運動プログラムの70%以上を実施した人ほど、好ましい関連が強くみられた。運動の種類では、より強度の高い有酸素運動や、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動で、生存率が高い傾向がみられた。
一方、筋力トレーニングだけでは明確な関連は確認されなかった。ただし、この結果は参加者129人の小規模な試験1件に基づくため、慎重に解釈する必要がある。
研究にはほかにも限界がある。比較対象となったグループでも途中から健康的な生活習慣を取り入れる人がみられ、それが結果に影響した可能性がある。また、分析対象は乳がんの研究が多く、進行がんに関するデータは限られていた。
運動がこうした効果をもたらす理由として、研究チームはいくつかの可能性を指摘している。適度な運動を習慣的に行うことで、免疫機能や心肺機能が高まり、腫瘍への血流が改善して治療効果が高まる可能性がある。また、細胞によるDNA損傷の修復を助け、腫瘍の悪性化につながる変化を抑えることも考えられる。
フーパーは、治療中の患者に運動を勧めるのをためらうのは、すでに過酷な治療を受けている患者にこれ以上の負担をかけたくないという善意から来るものであり、理解できると述べる。その上で、患者ができる範囲から体を動かし、回復に合わせて運動量や強度を高めていくことは可能だと指摘する。
「運動は、ほかの治療がすべて終わった後に余裕があれば行うものではない。治療や定期診察、検査と並んで、治療計画の一部として位置づけるべきだ」
Reference
Tzang, C., et al. (2026). Structured exercise interventions and survival outcomes in patients with cancer: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. British Journal of Sports Medicine. https://doi.org/10.1136/bjsports-2026-111664.
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