月に広大な都市を築くという野心的な構想が膨らみつつある。だがその実現を阻む根本的な問題が一つある。
学術誌「Frontiers in Space Technologies」に発表された研究によると、月には小規模な居住地を何世紀にもわたって支えられる量の水が氷として存在している可能性がある。しかし、人口数十万人、あるいは数百万人という規模の都市を長期間支えることはできそうにない。
月居住に対する関心は高まり続けている。アメリカ航空宇宙局(NASA)は、人が住み続けられる居住地を2032年までに月に建設する段階的な戦略を発表した。月の極域のクレーターで永久影に閉じ込められた水が見つかったことで、月面基地の建設、さらには大型居住地の建設に向けた期待はさらに膨らんだ。
「月の極域にある暗いクレーターから水が発見されたことで、あそこに基地を建設し、村落や都市、産業集積地を築こうという『ムーン・ラッシュ』に火が付いた」。今回の研究を発表したハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者、マーティン・エルビスはそう指摘している。
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