これまで最も有力なダークマターの兆候が発見された可能性がある。地下深く設置された検出装置が、科学者にも説明できない事象を捉えた。

暗黒物質とも呼ばれるダークマターは、宇宙の全物質の推定およそ85%を構成している見えない物質。その重力は銀河をつなぎとめる役割を果たしているとされ、目に見えなくても確かに存在すると想定されている。しかしアメリカ航空宇宙局(NASA)によると、ほぼ1世紀にわたって探し続けても、ダークマターの正体を突き止めることはできていない。

サウスダコタ州の地下約1600メートルの深さに設置された検出装置のLUX-ZEPLIN(LZ)は、ごく稀なその事象を記録した。LZ実験装置には液体キセノンを満たした大型タンクが設置されており、ダークマターの可能性がある粒子が通常の原子に衝突すると、その希少な瞬間を捉える。

研究チームは2023年3月から2024年4月にかけて収集された220日分のデータを解析して、この事象を発見した。ローレンス・バークリー国立研究所によると、この事象が出現したのは、検出装置の中でダークマターが現れると研究者が予測していた部分で、既知の原因による干渉が非常に少ない領域だった。

研究チームの計算によると、この事象はおよそ200分の1の確率で、既知のバックグラウンド活動によって引き起こされた可能性もある。確かにごく稀な事象ではあるが、発見と断定できるほどの強い証拠にはならない。

今回の発見は、日本で9月1日に開かれた国際会議で発表された。論文はオンラインで公表される見通しで、Physical Review Lettersに提出された。

研究チームは、説明できない事象を1つだけ記録したにすぎないと強調している。ダークマター粒子の兆候を初めて捉えた可能性がある一方で、ごく稀な未知の原因に由来する事象だった可能性もある。その違いを判別するためにはさらなるデータを必要とする。

バークリー研究所の発表の中で、広報官のリック・ゲイツケルは「我々は、ダークマターを見たとは主張しない」「だが、興味深い何かを見た」とコメントしている。

ダークマターとは
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