Michel Rose Balazs Koranyi
[パリ/フランクフルト 15日 ロイター] - フランスが欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の後任としてクノット前オランダ中銀総裁を支持する見返りに、ECBの要職であるチーフエコノミストにフランス人を起用することを求めていることが関係筋の話で分かった。
関係筋によると、この提案はマクロン仏大統領の支持を得ている。ただ、ドイツが強く反発する可能性があり、ユーロ圏の主要国による激しい政治交渉に発展する可能性があるという。
仏大統領府はコメント要請に応じていない。クノット氏はコメントを控えた。オランダ財務省からはコメントを得られていない。
ECBはコメントを控えた。
ラガルド総裁と、同じく役員会メンバーであるイザベル・シュナーベル氏が、2027年終盤の任期満了前に共に辞任する可能性があるとの憶測が広がる中、ここ数週間で後任を巡る動きが活発化しており、ECBトップの人事刷新が早まる見通しだ。
ECB総裁および役員会の他の5メンバーは、通貨圏を構成する21カ国の首脳間の合意によって任命され、ドイツ、フランス、イタリアの3大経済国が事実上の常任代表権を有している。
フランス人のラガルド氏とドイツ人のシュナーベル氏が早期に退任すれば、来年予定されている決定が前倒しされ、両氏の後任および来年5月に任期満了を迎えるチーフエコノミストのフィリップ・レーン氏の後任を埋めるための広範な合意が成立する条件が整うことになる。
関係筋によると、フランスはクノット氏を支持する見返りとして、ECB総裁が役員会メンバーの中から選任するチーフエコノミストのポストを確保したいと考えている。
同筋はフランス側の候補リストに挙がっている人物として、フランス銀行(中央銀行)のアグネス・ベナシーケレ副総裁や、経済協力開発機構(OECD) のチーフエコノミストなどを務めたことがあるローレンス・ブーン氏を挙げた。
また、国際決済銀行(BIS)に現在在籍するエレーヌ・レイ氏も候補の1人だという。
このうち誰かを任命すれば、現在ラガルド氏とシュナーベル氏のみが女性であるECB役員会のジェンダーバランスをある程度維持することになる。
しかし、この動きはドイツの反発を招くリスクがある。この提案により、ドイツはシュナーベル氏が空けるポストと彼女の市場操作担当を引き継ぐことになるが、ドイツ当局者は役員会で2番目に影響力があると広く見なされているチーフエコノミストのポストにも目を向けている。
フランスの債務問題が深刻化する中、仏政府はユーロ圏の金融政策のかじ取りをこれまで以上に強固に掌握しようと意気込んでいる。一方、債務負担が比較的軽く、経済政策においてもより正統派の立場を取るドイツは、物価安定に対するECBのコミットメントが弱まることに依然として警戒感を抱いている。
ラガルド総裁の任期は27年10月末に終了し、シュナーベル氏の任期はそれから2カ月後に終了する。