(本文3段落目の発言内容を明確にしました)
Miho Uranaka Anton Bridge
[東京 15日 ロイター] - みずほ証券の浜本吉郎社長はロイターとのインタビューで、海外企業や投資家による日本向け投資の呼び込みを重点戦略に据える考えを示した。国内では脱デフレ定着や金利正常化を背景に成長投資が活発化しており、日本の資産への関心も高まっている。こうした流れを収益拡大につなげたい考えだ。
浜本氏は「日本企業のM&A(合併・買収)というと海外進出がどうしてもメインになるが、欧米企業の日本投資を引き込むことがすごく大事になる」と指摘。「今後の戦略的なフォーカスはどちらかというとそっちだ」と述べた。限られた資本や人材を配分する上ではROE(自己資本利益率)とインバウンドを重視し、収益性の高い米国と産業力強化のための日本関連案件を優先する方針を明らかにした。
インバウンドの中でも海外投資家による日本株への投資については同社にとって「お米で、主食」と表現。一方で「大きなステーキはやっぱり半導体工場の用地を探す支援を行い、必要なファイナンスを組成することだ」と語り、日本進出を目指す海外企業への支援案件に大きな収益機会があるとの認識を示した。
世界最大の半導体受託生産企業である台湾積体電路製造(TSMC)は、九州で複数の半導体工場に投資している。
みずほ証券は、みずほ銀行やみずほ信託銀行などグループ機能を活用し、海外企業やファンドの用地取得や資金調達、国内企業との合弁(JV)・出資、買収などを支援する。不動産案件では信託機能と連携するほか、資産を流動化して投資家へ販売する役割も担う。
浜本氏は、物流施設やデータセンターについて、デットファイナンスだけでなくアセットサイドを流動化していくと説明。工場や通信塔、将来的には衛星なども対象になり得るとし、CLO(ローン担保証券)やREIT(不動産投資信託)、証券化商品を通じてファンドや機関投資家、個人投資家に資金をつなぐ取り組みが広がるという。
背景には、金利正常化に伴う金融環境の変化や企業による資本効率改善の動きがある。資金需要が拡大する中、銀行融資だけに依存せず、多様な資金を活用するニーズが高まっている。
投資銀行部門では、国内外で人材拡充を進める。グローバルでは企業の事業戦略段階から入り込み、案件を掘り起こすため、セクターバンカーを増員する方針だ。浜本氏は「アップストリームを強くしていかないと、案件自体を掘り起こせない」と説明した。
一方、日本ではM&A案件が過去最高水準で推移し、アドバイザリー人材が不足しているとして、ジュニアバンカーを中心に数十人規模の人員拡充が必要との認識を示した。
※インタビューは10日に実施しました。