ブラジルの独立記念日の9月7日、フラビオ支持者は巨大なトランプのバルーン人形とともに、大規模な街頭集会を実施した
ブラジルの独立記念日の9月7日、フラビオ支持者は巨大なトランプのバルーン人形とともに、大規模な街頭集会を実施した ALEXANDRE MENEGHINI-REUTERS

選挙戦で掲げるテーマはずばり「復讐」

負けたボルソナロが手本にしたのが、旧友のドナルド・トランプ米大統領だ。敗北を認めず、不正選挙だったと訴え、ブラジルの電子投票制度に疑問を投げかけた。だがその後、さらに突き進んだボルソナロには大きな代償が待っていた。昨年9月にクーデターを企てた罪で有罪判決を受け、11月に服役した(健康状態悪化を理由に、今年3月に自宅軟禁措置に変更)。

ボルソナロの息子4人のうち、三男で元下院議員のエドゥアルドは父親を助け出そうとして痛い目を見た。ブラジル最高裁は6月、米当局にロビー活動を行い、父親の裁判の妨害を企てたとして、アメリカ在住中のエドゥアルドに禁錮4年2カ月の実刑判決を宣告。故国に戻れば、拘束される可能性が高い。

フラビオが選択したのは別の手法だ。外から司法制度に挑むより、大統領になって父親に恩赦を与えればいい──。

7月25日に大統領選出馬を正式表明したフラビオが、選挙戦で掲げるテーマは明快そのもの。「復讐」だ。しかも、チャンスは十分にある。

8月14日に発表された世論調査によれば、大統領選決選投票でルラとフラビオが直接対決した場合、ルラの支持率は43%で、フラビオは40%。誤差範囲が2ポイントであることを考えると統計上は互角の勝負だ。同月に行われた別の世論調査では、ルラの支持率は46%で、フラビオは45%だった。

そこに絡むのがアメリカだ。フラビオの大統領選出馬はアメリカにとって、単なるブラジル国内の政争ではない。

中国との貿易を拡大するルラ
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