中国との貿易を拡大するルラ

トランプ政権は昨年、西半球での覇権を目指す新たな外交方針「モンロー・ドクトリンのトランプ的帰結」、通称「ドンロー・ドクトリン」を発表。麻薬カルテル撲滅や移民取り締まり、「非西半球の競争国」(つまり中国)による戦略的に重要な資産の支配阻止のため、アメリカとの取引に前向きな友好的政府・指導者の「協力を得る」べきだと主張している。

つまり、中南米最大の経済国で天然資源が豊富なブラジルは、アメリカにとって極めて重要性が高い。

だが、ルラ政権は中国との貿易を拡大している。昨年は過去最高の1710億ドルを記録し、対米貿易の2倍以上の規模に達した。その差は今年、さらに広がっている。ブラジル政府の統計によれば、今年上半期の対米輸出は12.2%減少し、輸入は10.4%減。一方、対中輸出は19.7%、輸入は8%増加した。

「トランプ政権は、中国との経済関係を強化しているブラジルがアメリカ寄り、むしろアメリカ頼みに立ち戻ることを期待している」と、米デンバー大学国際研究大学院のラファエル・イオリス教授(中南米史・政治)は本誌に語る。
 

フラビオの勝利を望んでいるとしても、その父親の政治生命に関する限り、トランプの「介入」は役立たずだった。

前回大統領選の期間中、中南米での共産主義・社会主義台頭を阻止できるのはボルソナロだけだと、トランプは支持を公言した。

ボルソナロが大統領選で敗北し、起訴された後はさらに思い切った行動に出た。昨年7月には、ブラジルからの全輸入品に対して50%の追加関税を課すと発表し、ボルソナロの公判を担当したブラジル最高裁のアレシャンドレ・デモラエス判事への制裁を発動した(同年12月に解除)。

トランプの振る舞いは裏目に出た
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