Jana Choukeir Eman Abouhassira Timour Azhari
[タイズ(イエメン)/ドバイ 14日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派は14日、サウジアラビアに対する新たな攻撃を実施した。湾岸アラブ諸国はイランとの協議を延期し、中東紛争がさらに拡大して世界の石油供給を脅かす懸念が高まっている。
フーシ派は国境に近いサウジのハミスムシャイトにある軍用飛行場に向けて数十のミサイルや無人機(ドローン)を発射し、格納庫やレーダーシステム、滑走路、弾薬庫に損害を与えたと発表した。
フーシ派は過去数日間にサウジが実施したイエメンへの数百回に及ぶ空爆に対する報復だとしている。
サウジ当局はハミスムシャイトと、過去にフーシ派の攻撃を受けた南部の3都市で一時的に緊急警報を発令。フーシ派の攻撃により13人の民間人が負傷したという。
この攻撃に先立ち、サウジは11日にも攻撃を受けていた。サウジ政府は11日の攻撃について、イランが支援するイラクの武装勢力によるものだと非難した。攻撃を受け、サウジはホルムズ海峡の輸送停滞を回避する代替ルートの役割を果たしてきた東西石油パイプラインの稼働を停止した。
フーシ派の攻勢に対し、サウジとイエメンの空軍はフーシ派の標的に対する空爆を強化しているが、イエメン政府の当局者によると、フーシ派は紅海沿いの同国西海岸のほぼ全域に対して実効支配を維持している。
<外交への望み薄れる>
オマーンは14日、ホルムズ海峡の再開に向けたイランと湾岸諸国による会合を主催する予定だった。しかしオマーンは前夜に会合の延期を発表した。イランによると、延期はサウジの要請によるものだという。
トランプ米大統領は、イランが早期の合意を望んでいるとの持論を改めて主張したが、イラン最高安全保障委員会(SNSC)のモフセン・レザイ事務局長は、トランプ氏の発言は注意をそらすものだと非難し、Xに「イランの条件が満たされるまで交渉はない」と投稿した。
サウジ原油の購入先やトレーダーによると、サウジのパイプライン停止が長引けば、同国の輸出用在庫が枯渇し、世界の原油供給の最大4%が失われる恐れがある。サウジ政府は稼働再開の時期を明らかにしていない。
<損傷したタンカーを巡る情報が交錯>
この地域を通る海上輸送の不安定さを浮き彫りにするように、ある石油タンカーがいつ、どのように損傷したかについて、矛盾する報道が流れた。
イランの革命防衛隊(IRGC)は、パナマ船籍の石油タンカーがホルムズ海峡南部の「航行禁止区域」通過中に機雷に接触し、爆発・炎上したと発表した。イランのファルス通信が14日、報じた。事故がいつ発生したかについては明らかになっていない。
一方、米中央軍は直ちにこの報道を否定し、同タンカーは「先月イランのミサイルによって攻撃を受け、航行不能となっていた」と述べた。
国連の国際海事機関(IMO)は、同タンカーが12日に損傷を受けたと報告したが、その原因については明らかにせず、船員2人が行方不明となっていると伝えた。
ロイターはドバイの船主に直ちに連絡が取れず、いずれの説明も確認できていない。