Nate Raymond
[14日 ロイター] - 米国で14日、民主党が主導する州、郡、市など数十の自治体がトランプ政権の新たな移民規制の阻止を求めて訴訟を起こした。移民当局が低所得者向けのフードスタンプ(食料支援)やメディケイド(医療保険)などの公的扶助受給者にグリーンカード(永住権)の交付を拒否できるようにする連邦規則の施行の阻止を目指す。
国土安全保障省が7月に発表した新たな規則は18日に施行予定で、合法的な永住権の申請者は主に政府の給付金に依存する「公的扶助対象者」であってはならないと定めている。
訴訟の1件目はニューヨーク州、カリフォルニア州やイリノイ州など新規則に異議を唱える22州およびコロンビア特別区、2件目はニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、シアトルを含む6つの市と郡によってマンハッタンの連邦裁判所に提起された。
国土安全保障省の広報担当者は提訴を受けた声明で、原告らを「サンクチュアリ州」や「左派の指導者」と呼び、「数十万人の不法滞在者や非市民が米国の福祉プログラムから離脱する可能性があるため、連邦資金を失うことを恐れている」と述べた。
米国の法律下では、移民当局は、政府の支援に主に依存する「公的扶助対象者」となる可能性が高いと判断した場合、その人物を入国不許可と見なすことが長らく認められてきた。
バイデン前政権の規則の下では、入国管理当局は、移民が過去に、あるいは現在、補足的保障所得や現金給付を受けているかどうかを審査で考慮できたが、フードスタンプや低所得者向け政府医療プログラムであるメディケイドなどの非現金給付の受給は考慮対象外となっていた。
これらの非現金給付は第1次トランプ政権の規則下では考慮要素となっていた。新たな規則が施行されれば再び考慮される可能性がある。
各州は、グリーンカード申請者の審査においてどの給付が不利に働くかについて明確な基準がなく、どの種類の支援が移民ステータスを危うくする可能性があるのか、家族が推測するしかないと主張している。
ジェームズ・ニューヨーク州司法長官(民主党)は「この規則はそうした不安につけ込み、家族が法的に受給資格のある食料支援、医療保険、その他の公的給付を放棄することを期待している」と批判した。
ニューヨーク市のマムダニ市長は声明の中で、この規則は「何十年にもわたり人々の食と健康を支えてきた支援プログラムから、移民家族を遠ざけようとするものだ」と述べた。
原告側は、この新規則が国土安全保障省の法定権限を超え、議会が定めた「公的扶助対象者」条項の長年にわたる解釈から逸脱しているため、「行政手続法」と呼ばれる連邦法に違反していると主張している。