Marc Jones

[ロンドン 14日 ロイター] - 米JPモルガンは9月末までに、待望のフロンティア市場向け現地通貨建て国債指数を立ち上げる。ロイターが確認した投資家向け資料によると、新指数「GBI-EMエッジ」は26カ国の国債を対象とし、総額約3300億ドルの債券市場の新たな指標となる。

JPモルガンが約20年前に外貨建てのフロンティア市場指数「NEXGEM」を導入して以来となる新たな指数で、組み入れ比率が高くなる見通しの国にはエジプト、ベトナム、モロッコ、カザフスタン、バングラデシュ、パキスタン、ナイジェリア、スリランカなどが含まれる。これらの国の多くは、危機に見舞われた後の市場回復を背景に近年大幅な上昇を記録している。

世界銀行によると、フロンティア経済圏は世界人口の約5分の1を占める。世界の資本流入の3.1%、世界総生産では5%未満にとどまるが、今後25年間でこれらの国々の人口は8億人増加すると見込まれ、増加数はその他の地域の合計より多くなるため、世界経済の成長における重要性は一段と高まるとみられている。

新指数の導入は、現地通貨建て債券市場の発展を後押しするとの期待もある。世銀や国際通貨基金(IMF)は、通貨急落によって政府のドル建て債務返済が困難になる事態を防ぐ手段として、現地通貨建て市場の拡大を長年提唱してきた。

新指数に組み入れられるアンゴラの財務相は先週、同国が186億ドル規模の国内債券市場をより広く開放する理由の1つとして、指数採用への期待を挙げていた。

JPモルガンは、より高い利回りを求める投資家の需要拡大を背景に、この指数の開発を長年進めてきた。実際フロンティア市場債券は他市場を上回るパフォーマンスを示している。

公表された指数の詳細に基づくと、組み入れ対象は発行残高が2億5000万ドル相当以上の債券に限定される。残存期間は2.5年以上が条件で、各国の指数構成比率は最大8%に制限される。地域別では、アフリカ諸国が指数全体の約45%を占める見通し。「フロンティア・アジア」は約3分の1で、主にベトナム、カザフスタン、パキスタン、バングラデシュがそれぞれ上限の8%を割り当てられる。

ロンドンの資産運用会社UBPで新興国債券部門責任者を務めるトーマス・クリスチャンセン氏は「この指数は10年前には実現できなかっただろう。投資家はこれらの市場が非常に魅力的で、ポートフォリオの分散効果をもたらすことに気付き始めている」と語った。

債券指数への採用が途上国経済に与える影響は大きい。国際投資家は指数に組み入れられた債券へ資金を配分する傾向があるためだ。FTSEラッセルは既に2021年から同様の指数を提供している。しかしJPモルガンの指数は新興国市場の運用会社の間でより広く利用されており、運用成績の評価指標としても重要な位置を占めている。

アナリストの見積もりでは、売買可能な現地通貨建て新興国債券市場は過去10年で3倍に拡大し、約1兆ドル規模に成長した。新たに導入されるGBI-EMエッジは、そのうち約3300億ドルが対象。名目利回りは約10.4%で、主要な新興国現地通貨建て債券指数を約440ベーシスポイント(bp)上回る。

過去のデータを使った試算によると、過去9年間の年率換算リターンが既存の主要指数を1.2ポイント上回っていたことも示された。

最低発行額要件を2億5000万ドルとしたことでザンビアが除外されるとの懸念もあったが、同国が近月実施した債券の大型化により、指数への採用が決まった。

JPモルガンは投資家向け資料で「これらの市場の多くは、2000年代初頭の中核的な新興国市場に似ている。高い名目キャリー、改善が進む市場インフラ、そして断続的な高いボラティリティーを特徴としている」と指摘した。

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