Miho Uranaka
[東京 15日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下で発電やデータセンター事業を手掛けるSBエナジーは、米国での新規株式公開(IPO)に伴い、日本の投資家向けにも新株を発行する。日本国内での募集額の上限は5億ドル(約773億円)となる。15日、日本国内での新規株式発行に向け、有価証券届出書を関東財務局に提出した。
株式募集は米みずほ証券から委託を受けたみずほ証券のほか、大和証券、PayPay証券など計5社の証券会社が取り扱う。
調達資金の大半は、データセンター、発電・蓄電設備などのインフラプロジェクトの開発・建設に関連する運転資金、営業費用、設備投資に充てる。一部は借入金の返済や技術開発、将来的な買収・投資に活用する可能性があるが、調達額が想定を下回る場合は既存プロジェクト向けの資金需要を優先するという。
ロイターはこれまでに、SBエナジーがIPOで500億ドル超の企業価値評価を目指しており、早ければ9月にもナスダック市場に上場する可能性があると報じている。
AI(人工知能)向けの計算需要の急拡大を背景に、大規模データセンターの建設競争が世界的に加速している。AI向けデータセンター・電力インフラ開発を手掛ける同社は、データセンターと発電設備を一体運営する垂直統合モデルに強みを持つ。
届出書によると、ソフトバンク、オープンAI、エヌビディアが戦略的投資家として参画し、ソフトバンクとオープンAIは主要顧客でもある。契約済みデータセンターのIT電力容量は8.8ギガワットで、契約済みのリース契約や電力販売契約などに基づく将来にわたって受け取る予定の収入総額は約4390億ドルとなっている。
一方で、現在稼働中のデータセンターはなく、売上高の大半は電力事業が占めている。2026年6月末時点の累積赤字は38億ドルで、同年1-6月の純損失は約32億ドルだった。データセンター事業の収益化は、テキサス州の「Cosmos Technology Campus」の稼働開始が最初の節目となる見通しで、同社は26年第4・四半期に初のデータセンター賃料収入を計上する計画だという。