[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の複数の政策担当者は14日、ユーロ圏のインフレ率が既に引き上げられた見通しをさらに上回る可能性があるとの認識を示した。強く懸念しているのは、特に天然ガス価格の急騰など足元のエネルギー価格上昇だ。

ECBは先週の理事会で利上げを決定するとともに、インフレ見通しの一部を上方修正した。ただ原油と天然ガスの価格は、その際の想定を上回る水準で推移しており、物価の高い伸びが予想以上に長期化する事態が示唆されている。

シュナーベル専務理事はドイツ首都ベルリンで「直近のエネルギー価格の動向は極めて懸念される。問題は原油だけではない。軽油などの精製品価格も上昇している。欧州にとって特に重要な天然ガス価格も非常に高い水準に達している」と指摘した。

ECBの経済見通しでは、基本シナリオにおける12月切りの天然ガス先物価格を1メガワット時当たり60.1ユーロ、悪化シナリオでは77ユーロと想定していた。ところが現在の市場価格は83ユーロを超えている。

原油市場も同様の傾向で、北海ブレント原油は1バレル=107ドル前後で推移しており、ECBの悪化シナリオで想定した水準より高い。

スロバキア中銀のカジミール総裁は「インフレリスクは明らかに上振れ方向に傾いている。現在は原油や燃料価格よりも、天然ガスや電力価格に注目している。家計のインフレ認識や期待形成に大きな影響を与える食品価格の上昇も今後加速するとみている」と発言した。

こうしたインフレ見通しの悪化は、追加利上げにつながってもおかしくない。ECBの主要政策金利は現在2.5%だが、景気を抑制する「引き締め的」な水準へ引き上げる必要があるとの見方も出ている。

ラトビア中銀のカザークス総裁はロイターに「さらなる金融引き締めの根拠は強まりつつある。金利は景気抑制的な領域に入る必要があるかもしれない。2.5%を超えて金利を引き上げるための特別なハードルは存在しない」と語った。

ただ他の政策担当者からは、ECBは従来どおり会合ごとに判断する姿勢を維持し、追加利上げについてはさらなる経済指標を確認した上で決定すべきだとの意見も聞かれる。

ECBは10月29日に次回理事会を開催予定。市場では同理事会での追加利上げ確率を約60%と織り込んでおり、年内の追加利上げについてはほぼ確実視されている。

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