Luc Cohen
[14日 ロイター] - 米連邦地裁の判事は13日夜、トランプ政権が進める郵便投票の要件厳格化に向けた米郵政公社(USPS)の新規則について、差し止めを命じる判断を下した。同規則の差し止めを命じた連邦判事は2人目となる。最高裁は別の差し止め命令の取り消しを求める政権の申し立てについて審理を続けている。
トランプ氏は2020年の大統領選での敗北について、大規模な不正投票の結果だと事実と異なる主張を続けており、長年にわたって郵便投票の制限を求めてきた。
ワシントン連邦地裁のニコルズ判事は、新規則が「連邦政府による選挙管理への違法な介入」と主張する民主党側の仮処分申し立てを認めた。トランプ氏の第1次政権で任命された同判事は、新規則によって一部の人にとって郵便投票が難しくなる恐れがあると指摘した上で、新規則はUSPSの権限を超えるものだと判断。「郵政公社にこの規則の主要部分を定める権限を与える法律はない」と指摘した。
<最高裁が審理中>
別の訴訟では、ボストン連邦地裁のタルワニ判事が9月4日、民主党主導の州や投票権擁護団体の申し立てを受けて同規則の差し止め延長を命じた。政権はUSPSが新規則を実施できるよう、同命令の停止を最高裁に迅速に申し立てており、制限を進められるかどうかの最終判断は最高裁に委ねられる公算が大きい。
新規則では、州が郵便投票の対象となる有権者リストをUSPSに提出することや、投票用紙を送付する封筒と返送用封筒に固有のバーコードを付すことが義務付けられる。USPSは、リストに記載されていない有権者や新基準に従わない州への投票用紙の配達を拒否する権限を持つことになる。
民主党はニコルズ判事にUSPSの規則差し止めを求める中、8月25日の裁判所への提出書面で米憲法は選挙管理の役割を連邦議会の監督下で各州に委ねており、大統領や行政機関に与えているわけではないと主張。この規則は有資格の有権者の投票権を奪う恐れがあると訴えた。民主党は「連邦議会は、誰が郵便投票用紙を受け取るべきか、郵便投票の封筒をどう設計すべきかに関する州の判断に介入する権限を、USPSや大統領に与える法律を制定していない」とした。
<全50州が郵便投票を認可>
政権を代理する司法省の弁護士は、USPSは連邦選挙管理の「支配権を奪取」しようとしているのではないと主張。誰が投票資格を持つかを決める権限は州に残ると説明。9月4日の提出書面で「この規則は州の選挙関連法に取って代わるものではない。単一の有権者が郵便投票を行うのを妨げるものであってはならず、また妨げる必要もない」としていた。
全50州が何らかの形の郵便投票を認めている。このうち29州は理由を示さずに郵便投票を申請することことができ、8州は全面的な郵便投票を認めている。