[香港 14日 ロイター] - 今月発表された研究によると、ヒマラヤ山脈では氷河の融解速度が10年前よりも速まっており、同地域が今世紀半ばまでに融解水の流出量が最大となる 「ピークウォーター」に達するにつれ、「水の安全保障」が脅かされる転換点に差し掛かっている。
8月下旬にはネパールとチベットの境界沿いでヒマラヤの氷河が崩壊。その下流の谷間で土砂崩れや鉄砲水を引き起こし、地域全体で少なくとも1300人の死亡が確認され、5300人以上が行方不明となっている。
今回の研究は、サステナビリティー助言会社Systemiqが、インテグレーテッド・マウンテン・イニシアチブ、国際総合山岳開発センター (ICIMOD)、インドのGBパント国立ヒマラヤ環境研究所と共同で実施。氷河が後退する中、数百万人が暮らす谷の上流に、崩れやすい岩や氷に支えられた不安定な氷河湖が残されているという。
研究によると、ヒマラヤの氷河の大幅な減少はここ数十年で加速している一方で、アフガニスタンからミャンマーに至る8カ国にまたがる広大な山岳地帯であるヒンドゥークシュ・ヒマラヤ地域全体で推定4万の氷河が存在するにもかかわらず、現在現地で監視されているのはわずか21の氷河に過ぎない。
インド国内では200近くの氷河湖が高リスクと特定され、そのうち56が「非常に高いリスク」に分類されており、下流に住む数百万人の人々が危険にさらされている。