CDCの調査では、同時テロから25年たった2026年6月の時点で、現場で対応にあたった隊員や被災者など15万4000人以上がWTC健康プログラムに登録し、9.11に関連する健康被害について自己負担なしで医療経過観察や治療を受けていることが分かった。
同プログラムの登録者数は2012年以降、中央値で毎年6500人以上増えている。
攻撃に直接さらされた人は、一般の人と比較して慢性疾患の有病率が高く、健康関連の生活の質が低い傾向があった。
さらに、障害の程度が重く、複雑な臨床管理を必要としていて、医療サービスの利用頻度や医療費が高いことも分かった。
CDCのかつての調査によると、タワーの崩壊に伴って発生した粉塵には、アスベスト、鉛、粉砕セメント、ガラス繊維、ベンゼンなど、人に対する有害性が確認されている物質が入り混じっていた。
ジェット燃料とタワー崩壊が組み合わさった結果、そうした粒子状物質や揮発性有機化合物が何千トンも放出され、大気を汚染した。
そうした物質の多くは現場に残って「グラウンド・ゼロ」を形成した。6階建てビルの高さにまで積み重なった瓦礫からは煙が上がり、3カ月以上にわたって断続的に燃え続けた。
国際がん研究機関(IARC)は、あらゆる種類のアスベストを人に対する発がん性物質に分類している。アスベストは、肺を覆う保護組織に発生するがんの中皮腫や、肺がん、喉頭がん、卵巣がんの原因となる。
一方、鉛は身体の複数器官に悪影響を及ぼし得る。世界保健機関(WHO)によると、2023年は世界で350万人以上の死亡に鉛が関係しており、死因は主に心血管系疾患だった。
米国環境保護庁(EPA)によれば、粒子状物質は肺疾患や心疾患、喘息、呼吸器疾患など、さまざまな健康被害と関連していることが多数の研究で示されている。さらに、空気中の揮発性有機化合物に長期間さらされると、さまざまな臓器が損傷を受けたり、がんを発症したりする恐れがある。