Alex Lawler Dmitry Zhdannikov
[ロンドン 13日 ロイター] - サウジアラビアの国土を東西に貫く原油パイプラインが数日以内に再開されなければ、同国の輸出用在庫が枯渇し、世界の原油供給の最大4%が失われる恐れがある。サウジ原油の購入先やトレーダーらが明らかにした。
世界最大の原油輸出国サウジからの供給がさらに減少すれば、既に深刻化している世界的な供給不足に拍車がかかる見通し。こうした懸念から燃料価格は過去最高水準へ押し上げられたほか、世界的なインフレ圧力の強まりを背景として米国債利回りも2008年の金融危機以来の高水準に達している。
サウジは11日、複数のドローン(無人機)攻撃を受けて、東西パイプラインの稼働を停止したが、政府は被害の詳細や復旧時期について十分な説明を行っていない。
ロイターの取材に応じた関係者の見方は分かれている。完全復旧まで5-6週間を要しかねないとの声がある一方、より早期の修理が可能で、補修作業を続けながら部分的に運転を再開できるとの想定も出ている。
戦争の影響でホルムズ海峡の輸送が大幅に制限される中で、アラビア半島を横断して紅海沿岸へ至る東西パイプラインは過去6カ月間にわたり、サウジの輸出を支える重要な代替ルートとなっていた。サウジがこのパイプラインを利用して紅海沿岸のヤンブー港へ輸送してきた原油は日量約400万バレルで、世界供給量の約4%に相当する。
パイプラインの停止で、ヤンブー港の在庫で輸出を維持できる期間は5-7日程度にとどまるとみられる。サウジの輸出事情に詳しい業界関係者3人が明らかにした。
また別の関係者の話では、サウジは紅海沿岸のエジプト・アインスフナ港と地中海沿岸のシディ・ケリル港にも在庫を保有しており、数日間は顧客への供給を継続できるという。
業界推計によると、ヤンブー港の貯蔵能力は約3500万バレル。アインスフナ港は約1800万バレル、シディ・ケリル港は約2000万バレルの貯蔵能力を持つ。
ただこれらの施設の在庫は満杯ではなく、東西パイプラインの運転が再開されなければ、最終的には在庫が底を突く見込みだと関係者らは指摘している。
国際エネルギー機関(IEA)は11日、ホルムズ海峡と紅海経由の輸送量減少を受け、サウジの原油供給量が8月に30年余りぶりの低水準へ落ち込んだと発表した。