エジプトのサッカラで、古王国時代の王権を支えた高官の姿を伝える墓が新たに姿を現した。

エジプト観光・考古省によると、エジプト考古学調査団がブバステイオン墓地西側のセクターAで発掘したのは、セケンティオ・プタハという人物の墓だった。墓の葬祭礼拝堂跡には偽扉(古代エジプトの壁に設けられた、実際には開かない扉状の構造・装飾)が本来の位置に残され、その前からは供物台や清めの水盤、壺など一式のアラバスター製祭具もまとまって見つかった。

【動画】発掘されたエジプトで王の「秘密の守護者」を納めた墓

ヒエログリフから判明した彼の肩書には「王室侍従」「王のすべての事業の監督官」「王室文書の監督官」「王令の秘密を司る者」「書記の監督官」などが並ぶ。

エジプト古王国の中央行政では書記官僚制が重要な一角を占めており、王命を記録・管理する書記や官僚が国家運営の中核を担っていた。例えば、メトロポリタン美術館が所蔵するサッカラ出土の第5王朝の墓礼拝堂でも、偽扉には元の墓主ネフェリレテネスの「王の個人的文書の書記」「文書監督官」などの称号が消し跡から読み取られている。

偽扉そのものも、死者が供物を受け取るために現世へ通じる象徴的な境界と考えられていた。

今回、セケンティオ・プタハの偽扉と祭具が本来の位置で確認されたことは、彼の官僚としての地位だけでなく、約4350年以上前の有力者の葬送儀礼を復元する手掛かりにもなる。

「王令の秘密を司る者」はいわゆる「密偵」だったのか
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