Christy Santhosh Bhanvi Satija
[4日 ロイター] - スイス製薬大手ノバルティスは4日、米アイオニス・ファーマシューティカルズと共同開発中の心臓病薬「ペラカルセン」について、遺伝的リスク因子を持つ患者を対象とした後期臨床試験で、重大な心臓発作や脳卒中のリスクを低減できなかったと発表した。
この研究結果は、ノバルティスが今年実施している後期段階の医薬品に関する複数の試験の一つ。同社は現在、過去最大級の特許切れに直面し、大型心不全治療薬「エントレスト」の減収への対応に追われている。
ペラカルセンは月1回投与の皮下注射薬で、心臓病リスクの上昇と関連付けられている遺伝子コレステロールの1種である「リポタンパク質(a)=Lp(a)」を低下させる。
この試験は、遺伝によらない通常の「悪玉コレステロール」が既に十分にコントロールされている患者の間で、同薬が心臓発作や脳卒中を予防できるかどうか検証した初の後期試験だった。試験は6年以上にわたり実施され、Lp(a)値が高い患者8000人超を対象とした。
ノバルティスとアイオニスによると、過去の研究結果と同様に今回の試験でも、ペラカルセンは患者のコレステロール運搬粒子であるLp(a)値自体を低下させたが、主要評価項目の達成にはつながらなかった。
シティグループのアナリスト、ジェフ・ミーチャム氏は、今回の主要目標の未達成がペラカルセンの作用機序、Lp(a)の低下が不十分だったこと、試験デザイン、あるいはLp(a)低下が心臓病リスクを低減するという点についての疑問、のいずれに起因するかを判断するには試験の全データが必要だとの見方を示した。
両社は今回の試験の全データを今後の医学会議で発表する予定だと述べた。
ノバルティスの有望パイプラインとして投資家はペラカルセンのほかに、抗炎症薬「レミブルチニブ」、遺伝子治療薬「デルデシラン」に注目している。これらは承認されれば合わせてピーク時の年間売上高100億ドル超を生み出す可能性があり、同社の長期的な成長の主要な原動力となる。先ごろ、レミブルチニブは多発性硬化症の一種の患者を対象とした後期試験で良好な結果を示した。アナリストらは同薬だけでピーク時の年間売上高が最大90億ドルに達する可能性があると見込んでいる。